On the Beach の感想

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参照データ

タイトルOn the Beach
発売日2003-07-14
アーティストNeil Young
販売元Reprise / Wea
JANコード0000009358614
Disc 1 :Walk On
See The Sky About To Rain
Revolution Blues
For The Turnstiles
Vampire Blues
On The Beach
Motion Pictures
Ambulance Blues
カテゴリ » ミュージック » ジャンル別 » ロック

On the Beach とは

   薄ら寒く、華やかさに欠け、時としてひどく陰気な本作『On the Beach』は、ニール・ヤングが『Harvest』以降に発表した最初のスタジオ・アルバムだ。2年前の『Harvest』で一躍メインストリームのスーパー・スターとなったヤングは、本作でキャリアの方向転換を試みた。それは「風に向かって放尿する」ようなものだった――ヤングの人生観が表れた、本作の歌詞中もっとも有名な文句のひとつを借りて言うなら、そういうことになる。

   ヤングはすでに苦悩に満ちたアルバム『Tonight"s the Night』の録音を済ませていた。60年代のドラッグ・カルチャーとその被害に対する彼なりの告発といえる作品である。だが、レコード会社からは内容が暗すぎるという理由で却下された。そこでヤングは、代わりに本作を会社側に提示したのだ。暗さは減退したが、それでも聴いた後に尾を引きそうなこのアルバムは、ひと言でいえば、ロック・スターという地位やカウンターカルチャーのてん末に対するヤングの拒絶宣言だ。取り上げられる話題は多岐にのぼり、リチャード・ニクソンとパティ・ハーストのこと(大曲「Ambulance Blues」)、ヤングと女優キャリー・スノッドグラスとの関係(「Motion Pictures」)のほか、もっとも有名なところでは、チャールズ・マンソン(見事な「Revolution Blues」)のことも語られる(マンソンが人気トピックになるのは何年も後のこと)。一方、「Vampire Blues」では、これらすべての話題に触れつつ、ヤング自身のことが歌われているようだ。『On the Beach』は深い絶望とわずかな希望に彩られたアルバムだが、ロック・カルチャーの生んだ傑作として徐々に再評価されるようになるだろう。(Bill Holdship, Amazon.com)

購入者の感想

ハーヴェストから2年ぶり、74年に発表されたスタジオ録音の作品。前年にクレイジー・ホースのダニー・ウィットンが死亡してニール自身もそうとう落ち込んだというから、その状態からの回復途上の作品ということになろうか。一般にニールが充電を終えて70年代後半の傑作連発が始まるのは翌年、特にZUMAからと思われがちだが、本作を忘れないでほしい。派手さはないが、繰り返し聴けば聴くほど味が出てくる作品が本作。アコースティックな面もエレクトリックの面(といっても後の轟音路線ではないが)も備え、ハーヴェストまでの音楽を総括し、彼の更なる飛躍の色々な種というか彼の世界の奥深さを確認できる名作である。本作で展開する音楽の多彩さを反映して、バック・ミュージシャンはベン・キース等ストレイゲーターズ系、ビリー・タルボット等クレイジー・ホース系を中心に(両系が共演している曲が多い)、一部の曲にはザ・バンドからリック・ダンコ、レヴォン・ヘルムをゲストに迎えている。ヴォーカル、バンジョー、ドブロだけの曲もある。個人的には、ZUMAの「ドント・クライ・ノー・ティアーズ」の先駆けとなる明るさが魅力の「ウォーク・オン」、穏やかな名曲「アバウト・トゥ・レイン」、抑制されたエレキ・ギターが印象的なタイトル曲、アコースティック・サウンドで静かに締め括るラスト2曲がお薦め。後年、ニールは新しい音を模索するとき「バック・トゥ・ザ・ビーチ」と発言するが、それも頷ける。アルバム・ジャケットも彼の作品で屈指の出来だと思う。

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