標準組織学 各論 の感想

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タイトル標準組織学 各論
発売日販売日未定
製作者藤田 尚男
販売元医学書院
JANコード9784260003025
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 基礎医学 » 組織学・発生学

購入者の感想

標準が久々に改定されると聞いて期待していたが、他の標準シリーズとマッチしない装丁は相変わらずで、著者も変わらない。
改定にともなって、著者以外が担当した部分は改善されているが、逆に全体としての不統一感が目立つ。
もともと読みづらい文章であったが、この20年で他の教科書が読みやすくなっているため、さらに読みづらく感じられる。

内容的にも現代のコンセンサスからはあきらかに誤りであったり不適切な部分がある。
例えば、下垂体前葉はラトケ嚢の細胞が周囲からの誘導を受けながら、異なる転写因子群を発現する分化段階をへて各種のホルモン産生細胞になることが明らかになっている。しかし、この書物ではラトケ嚢は場所を提供するだけでホルモン産生細胞は神経外胚葉由来であると記載されており、その根拠が1960年代のルドアランの実験結果というのは、あまりにもお粗末ではないだろうか。

他の教科書との用語や考え方の不一致も多く、しばしば学生が混乱する。
骨格筋は「三つ組」、心筋は「二つ組」という組み合わせでどの教科書にも書かれており、骨格筋と心筋が似ているけれども微妙に違うのだということを理解するのに役立つのだが、この本では心筋も三つ組と記載されているため学生は混乱するし、教員としてもやり辛い。

世界の医学生に読まれる優れた教科書の訳書が複数出版されている中で、今のような形式と内容の「標準 組織学」は存在意義を失っている。

新しい執筆者による全面改訂が待ち望まれる。

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