無花果の森 (新潮文庫) の感想

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タイトル無花果の森 (新潮文庫)
発売日2014-04-28
製作者小池 真理子
販売元新潮社
JANコード9784101440279
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者

購入者の感想

小池真理子氏の本は大好きで、しかも今作は「DVを受けた女性が新しい人生を切り開いていく物語」と聞いて、期待して読みました・・・が。

残念ながら期待外れ。

展開が都合が良すぎる。

DVを受けた妻が夫から逃げ出して見知らぬ街に住みついて、

そこに顔見知りの同じく逃亡中の男性がいて、当然のように結ばれて・・・って、

作中の台詞にもあるように「安手のドラマみたい」。

DVを受けた女性・DVをする側の男性の実態にも、真に深く迫っていない。と強く感じました。

何というか、DVに対するイメージやデータだけで書いた描写みたいでした。

実際は、DVをする側は、その人がいないと生きていけないかのように被害者に思い込ませ、感情的・精神的に被害者を

コントロール下に置きます。被害者にとってDV加害者は、単に「自分に恐いことをする人」というだけでなく、

その人にすがらないと生きていけないようにされているので、DV加害者に依存していくようになり、

自尊心や自立心・気力を奪われ、DV環境から簡単に抜け出せず、泥沼の中で苦しみます。

本の中で描写されているより、もっと複雑で深い心理的な葛藤や苦しみが被害者にはあります。

だのに、その点があんまりリアルに書かれていない。

小池氏は某女性週刊誌のインタビューで、「自分で考えて生きる主人公にしたかった」と語っていましたが、

この主人公は、そのような人物像として描かれていたかな?疑問に思いました。

どちらかというとこの主人公は、問題や苦しさを自分の力で「考えて」向き合って生きていくというよりは、淡々と「流れるように」生きていくタイプだと思います。

加えて、せっかく、主人公をお手伝いさんとして雇う高齢で独身の女画家という、人生のペーソスを感じさせられるような

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