イエスという男 第二版 増補改訂 の感想

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参照データ

タイトルイエスという男 第二版 増補改訂
発売日販売日未定
製作者田川 建三
販売元作品社
JANコード9784878936814
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » キリスト教史

購入者の感想

福音書とは、言うまでもなく「古代文献」です。その記述編纂過程で、潤色・改ざんがなされており、また福音書(記者)ごとに「イエス像=福音理解、神学」がかなり異なっています。そもそも書簡で多弁な神学を繰り出すパウロ自身ですら、生前のイエスを知りませんでした。ですから、「現代日本人」がこういった相矛盾する要素をはらむ「古代文献=聖書」の「字面」をただただ追ってみたところで、独力で「イエス理解」に達することは難しいのです。

日本の「高名な」新約聖書学者さん達が描く「(史的)イエス本」でさえ、聖書が書かれた「古代」の時代的制約・限界を無視した、根拠なきイデオロギーや「願望」の投影、「信仰告白」に過ぎないトンデモ本が実に多いのです。

もちろん、時代の制約という点では、熱き’70年代に「殉じた」田川氏とて免れ得るべきものではありません。が、類書と丹念に読み比べてみると、田川氏のそれは、意外!に抑制が働いていて、「分からないものは、分からないとすべき。手前勝手な想像で補ってはならない」旨、繰り返し言及されています。

実際に、田川氏の論証はかなり説得的です。キリスト者ならば、文字通り「目からうろこ」状態となる解釈を随所に読み取ることが可能でしょう(例えば、自明とされる「主の祈り」!など)。この本は、氏の「学問的誠実さ」と「思想(こころざし)」、「(史的)イエス像の解き明かし」が絶妙なバランスを保ちつつ、結実した「田川版福音書講解」と言えると思うのです。なお、氏の論(雄叫び?)をどのように受け止め、どう応答するのかは、当然ながら、個々の読者に委ねられています。

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