性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか? の感想

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タイトル性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?
発売日販売日未定
製作者クリストファー・ライアン
販売元作品社
JANコード9784861824951
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般

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ヒト属をふくむ霊長類のさまざまな種において、メスがオルガスム(オーガズム)を経験するのは、たいてい乱婚・乱交(複数オス複数メス配偶システム)を行なう種だということが学術的調査の証拠から分かっているという。霊長類のメスは交尾時にある音声を発することが霊長類学者の調査で明らかになっている。この音声は「交尾コール」と呼ばれていて交尾の直前・最中・直後に発するそうだ。より乱婚的な種のメスほど、大きく複雑な音声を発する傾向があるそうだ。

マイクを背負ってジャングルに分け入り調査することができない私たちでも「交尾コール」を身近に聞くことは可能だ。霊長類ヒト属のメスがサル属とは、また違った“交尾時に独特な音声”を発するのを聞く機会があるからだ。ヒトのメスの発する音声も部族や文化・言語によって異なっていることだろう。

先史時代、身の回りにサーベルタイガーや獰猛な肉食獣が生息している森林地帯で狩猟採集生活していた私たちの祖先のメスは声を出せば肉食獣に捕捉される可能性が高くなるにもかかわらず、なぜ交尾時に叫んでしまうように進化してきたのか。著者は率直にユーモアも込めてこう書いている。

『「みんな、こっちにいらっしゃいよ」という誘いなのであり、そうやって精子競争に駆り立てて』乱交により遺伝的に適合するオスの精子を受精するためなのだそうだ。メスの声で昂揚したオスが順々に列をなして交尾を行っていく、メスひとりを奪い合うことはせず全てのオスが交尾をしたいメスと交尾をしていくという。すべてのオスが交尾できるので奪い合う必要がなくなる。

メスの子宮は一番先に射精したオスの精子が受精確率が高いわけではなく、異なる免疫を持つ遺伝的に適合する精子が生きやすい子宮・膣内環境を女性器は整えるように進化してきたというメカニズムがあるのだそうだ。ほんの僅かな危険よりもより良い遺伝子を残すための策なのだと。本書の内容で紹介されている性科学の知見では、ヒトのペニスは先に射精された精液を掻き出すような形に進化してきて独特な形状をしているのだそうだ。また近年の研究ではヒトの精子数が減少をしているのは乱交を行なわなくなったことが原因だともいわれているそうだ!

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