死に支度 の感想

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参照データ

タイトル死に支度
発売日販売日未定
製作者瀬戸内 寂聴
販売元講談社
JANコード9784062191357
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » さ行の著者

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購入者の感想

ジャンル分けすれば、私小説という事になるのだろうか。
追想録という言い方もしっくりくる内容だと思う。

この本で主にスポットを当てて描かれているのは、
筆者に近しい人々とのエピソードの数々である。

父母や姉の事、寂庵のスタッフ、親しかった作家仲間や友人、等、
筆者の周りにいる人々が、
どこか(必ず最終的には)暖かさや明るさを持って描かれている。
そして、描かれている人物誰もが、思いやり深く、やさしい。

それは、もしかすると、
筆者の人柄が、鏡のように、
周囲の人々に映し出されて描かれているという事ではないだろうか。
筆者が常日頃口にする「和顔施」とは、
突き詰めるとこういう事なのかもしれない。
…と、全くもって飛躍した解釈であるが、私にはそう感じられた。

特にそれが強く感じられたのは、
最終章「幽霊は死なない」である。
それは、筆者が、
多忙な日々の中でなかなか書けなかった手紙の返事を
20代の今の秘書の方に宛てて書いている内容である。

私はこれまで、人生の苦難の時を、
度々、筆者の言葉に励まされてきた人間である。
だからその、秘書の方に宛てた手紙や語った言葉を、
自分あての手紙や言葉のように読んでしまった。
(実に勝手な読み方だと重々承知しております。笑)
「この世に一人しかいない自分という存在を先ず認めてやりなさい。」
そんな言葉に、
胸が熱く、そして苦しくなってしまった。

寂聴先生には、
これからもまだまだ美しい言葉を
この世に残していってもらいたいと思っている。
自分が励まされたその分をそのままお返しする事は到底できないのだが。
でも、いや、だからこそ私は、ずっと私が生きている限り応援しているし、
この人の著作を読み続けようと思う。

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