ブータンに魅せられて (岩波新書) の感想

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タイトルブータンに魅せられて (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者今枝 由郎
販売元岩波書店
JANコード9784004311201
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

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 ブータンが幸福大国、というのを耳にし、どうして国民が幸せでいられるのか知りたくて手に取った1冊。でも実は、2006年の調査では世界で一番幸せを感じているという国はデンマークで、ブータンは8位だった(日本は世界の中で半分くらいの位置)。まあそれはともかく、なんといっても、ワンチェック国王が「国民総幸福」理念を打ち出していたのだから凄い。まずはどういう国なのか?みんな幸せならば、その秘密は?というところが気になった。

 チベット文化圏のブータンは1970年代以前までは、外国人がほとんど訪れていなかったそうだ。日本との国交は1986年に樹立する。しかし普通ビザに加えて特別指定地域立ち入りの特別許可がいるなど、そんなに気軽に入国できるという印象ではない。インドの影響が強くあるのはインドが最大の援助国ということもあり「Big Brother」とみなしているらしい(これでは『1984』?)。また純粋にブータン人だけという国でもなく、1980年代末期からネパール人移民問題が顕在化しているようだ。

 著者がブータンに入国したのは、ブータンの国立図書館関係の仕事のためのようなので、待遇がVIP級だ。なので、普通の人々の生活に密着したレポートとはいかないようだが、それでも彼らの生活について解説されていることがいくつかある。チベット仏教の教えが浸透していること、切手の収集家の間では有名な国であること、国立図書館の職員に採用される人はこれといって能力のない人ばかり、そしてその理由、一般に仕事は半日である理由、ブータンの民話、女性が実権を掌握していること、異文化に対して寛容であること、信仰が自由であること、最大のお祭り、民族衣装、国会の様子など。

 そして結局、なぜ皆、幸せを感じるのかということは、人口の少なさもあっての、「巨大な家族、親族」といういわば「村落共同体」というつながりから「安らぎを見出している」ようだ。北欧も割合、小国といった感じだし、似たようなところがあるのかもしれない。

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