クリスマス・キャロル (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルクリスマス・キャロル (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者ディケンズ
販売元新潮社
JANコード9784102030097
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

ディケンズの『デイヴィット・コッパーフィールド』や『大いなる遺産』、『オリヴァー・トゥイスト』などの自叙伝的な長編小説とは違い、
『クリスマス・カロル』は内容も短く凝縮されていて、分かりやすいです。
ただ上記に挙げたような作品の中心にある社会批判、とりわけ貧民救済に関しての記述は、この作品においても核となる部分に据えられています。

ごうつくばりのスクルージ爺さんを改心させるため、死んだ相棒のマーレイをはじめ、幽霊たちが彼のもとにやってきて、
過去・現在・未来のクリスマスの情景をスクルージに見せて、慈愛の情を呼び起こさせる――というお話。
「第一にマーレイは生きていない」という書き出しや「老マーレイはドアの上の釘のように死にきっていた」という叙述に、著者のユーモアが感じられます。

フローベール以前の小説なので、作品中に作者が顔を出し、
言い訳したり訓戒を垂れたりはしますが、最後までスラスラと読めて、心温まる小説です。

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