Race Against The Machine: How the Digital Revolution is Accelerating Innovation, Driving Productivity, and Irreversibly Transforming Employment and the Economy (English Edition) の感想

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タイトルRace Against The Machine: How the Digital Revolution is Accelerating Innovation, Driving Productivity, and Irreversibly Transforming Employment and the Economy (English Edition)
発売日2011-10-17
製作者Erik Brynjolfsson
販売元Digital Frontier Press
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カテゴリ洋書 » Subjects » Nonfiction » Economics

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2008年から続いた米国の大不況は一応の終わりをみたが、失業率の回復には至っていない。通常の景気循環での需要の不足にその理由を求める向きや、技術革新の不足のせいと唱える説もある。この本の主張は、むしろ技術進歩によってマンパワーが不要になってきたから、景気が回復しても前ほどには雇用に繋がらないということだ。

2章では近年のデジタル技術の粋を眺める。人間のみに固有の能力と思われていたパターン認識や複雑なコミュニケーションは、機械がかなりの程度既に実現している。大量のデータ活用によりグーグルは無人運転を可能にし、世界各国の顧客対応を扱う翻訳技術やクイズ番組に解答する機械も存在する。チューリングが望んだほどには追いついてはいないものの、機械と人間とは競合するようになってきている。多目的技術(General Purpose Technology)の躍進は目を見張るものがあるのだ。かつての蒸気・内燃機関と同様、コンピュータは当該(IT)産業のみならず他の産業の生産性を改善している。

3章ではこの技術進歩が経済にもつ影響を見る。過去10年にわたりアメリカの中位所得は水準を落とす一方で一人当たりGDPは伸びている。これは技術進歩が勝者と敗者を生み出しているためで、高い技能を持つ人は技術から恩恵を受けるが、コンピュータと競合してしまう人は損をするからだという。以下の3つの観点での格差拡大が述べられる。
i. 高い能力対低い能力
技能偏向型技術進歩(SBTC, skill biased technological change)という学術用語がある。それは、高い技能をより必要とするいっぽうで低い技能を不要にするような技術進歩を意味する。たとえば工場の自動化がそれだ。過去40年の間、高卒の賃金は低下していったが、大卒の給料は著しく伸びた。(cf. Acemoglu, Autor) また、高い技能のある労働力、特にデジタル技術のそれは、技術進歩によって需要が伸びている。(cf. Autor, Katz, and Krueger) この種の進歩のキーは、組織内の決定機構やインセンティブ設計、情報の流通などの点で、会社に偏向をもたらすということだ。そのためそれまでとは全然違う労働力を必要とするようになってくる。

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