おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫) の感想
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参照データ
タイトル | おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 石井 妙子 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101372518 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
戦後の銀座で政財界、芸能界のなだたる名士が集い一流の名を欲しいままにしたバー「おそめ」。おそめの伝説的マダムである上羽秀(うえばひで)の生涯について、著者が本人、家族、そして「おそめ」に関わった人々に丹念に聞取りを行なったノンフィクション。
白洲次郎、川端康成、小津安二郎、すでに歴史上の人物といえる各界の豪華な顔ぶれが銀座のちいさな一店に集ったという奇跡的な事実、そしてその店を仕切るマダムの一代記というだけで、まず興味をひかれないわけがありません。
加えて誰よりも美しく派手なエピソードがたくさんあったものの、古風で飾り気がなかったという上羽秀に絡んでくるのは、のちに東映の大プロデューサーになったという男女関係には放蕩な内縁の夫、銀座でライバル店を営んでいた主人公とは対照的な大柄で洋風の美人、そして話が展開するのは古都京都と歓楽街の頂点銀座、とくればこれはもう出来すぎていて、ノンフィクションというより、一編の大変に良く紡がれた長編小説とでもいいたい内容でした。
作者の、主人公やその周辺の人々、描かれた時代や事物に対する深い愛情もしっかりと伝わってくるたいへん読みがいのある本でした。
白洲次郎、川端康成、小津安二郎、すでに歴史上の人物といえる各界の豪華な顔ぶれが銀座のちいさな一店に集ったという奇跡的な事実、そしてその店を仕切るマダムの一代記というだけで、まず興味をひかれないわけがありません。
加えて誰よりも美しく派手なエピソードがたくさんあったものの、古風で飾り気がなかったという上羽秀に絡んでくるのは、のちに東映の大プロデューサーになったという男女関係には放蕩な内縁の夫、銀座でライバル店を営んでいた主人公とは対照的な大柄で洋風の美人、そして話が展開するのは古都京都と歓楽街の頂点銀座、とくればこれはもう出来すぎていて、ノンフィクションというより、一編の大変に良く紡がれた長編小説とでもいいたい内容でした。
作者の、主人公やその周辺の人々、描かれた時代や事物に対する深い愛情もしっかりと伝わってくるたいへん読みがいのある本でした。