アクト・オブ・キリング オリジナル全長版 2枚組(本編1枚+特典DVD) 日本語字幕付き [Blu-ray] の感想

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タイトルアクト・オブ・キリング オリジナル全長版 2枚組(本編1枚+特典DVD) 日本語字幕付き [Blu-ray]
発売日2014-12-03
監督ジョシュア・オッペンハイマー
販売元バップ
JANコード4988021713528
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドキュメンタリー

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購入者の感想

 1965年のインドネシアで共産党狩りによって100万人の命が奪われた。虐殺を行ったのはプレマンと呼ばれる青年団などの一般人だった。
 あれから50年。それなりの地位を築き、過去の虐殺を誇りさえするかつてのプレマン達は取材に応じるだけでなく、当時の再現映画を自らつくりはじめる。
 禁断のドキュメンタリー映画。

 自分達の虐殺を正当化し、自慢さえするブレマン達だが、この映画を見ると彼らが実は深層では深く傷つき苦しんでいるのが分かる。
 否認と心の闇の間で揺れる彼らは混乱し、終始支離滅裂な言動をしている。爺さん達のしょぼい再現映画撮影と合間って、この映画は不気味な笑いを提供している。
 さらに彼らの残虐行為は社会に暴力の恐怖と不正義の横行を残し、本人達だけでなく社会に深刻な爪あとを刻んでいる。
 これはドキュメンタリー映画でしかできない。あの表情、困惑、混乱はドキュメンタリー映画でしか撮れない。2時間半を超える長い映画だが、どのシーンも重要で見逃せない、

 ドキュメンタリーでしか撮れない映画だが、そもそもこんな企画は狂気の沙汰だ。この映画は壮大な反則映画なのだ。

 私はてっきり再現ドラマを重ねてくことで彼らがある種の癒やしを得るのかと思った。だが、そんな生易しい心の闇ではなかった。彼らは明らかに壊れていってしまってるように見えた。
 彼らはその後どうなるのか。。。こりゃ続編の『ルック・オブ・サイレンス』も見ないわけにはいかない。

1000人近くを虐殺し、自分のことを「英雄」と思い普通の暮らしをしている本作のメインパーソン”アンワル”に近づいて、

「どうやって殺したんですか?」、「どこで殺したんですか?」、「その時あなたは何も感じなかったのですか?」

と突っ込んで聞ける監督の怖いもの知らずさがすごかった。その殺し方もアンワルは当時を振り返って「こうやった。こうやれば血も噴き出さないし掃除の手間もなくなる。このやり方が一番簡単」みたいなことを、どこからどう見ても普通のおじさんが笑いながら永遠と語ってくれます。本当に怖かった。

監督曰く、「1000人を殺したアンワルの中に自分を見出してほしい」というテーマ。

このアンワルという人は本当に普通の人。孫思いの良いお爺ちゃん。ちゃんと孫のしつけもして、一般的な感覚を持って話せる人だし、歌も歌うし、踊ったりもする。こんなどこにでもいるようなおじいちゃんが1000人もの人を殺し、虐殺する手口を淡々と語っているのはものすごく不思議で、今自分が見ているものは何なんだ?と混乱さえしてきます。

「犯罪者なんて自分とは関係ない」とか、「TVのニュースでやるような頭のおかしい殺人者とかは自分とは関係ない人種だ」などと切り離して考えてしまうことに対して、「いや、ちょっと待て。本当にそうか?」と問いかけられてくるような感覚を味わいました。

そして衝撃のラスト。これは、とんでもない映像だ。もう二度と撮れないと思う。映画館で見ていて苦しくなりました。
私的に今年見た映画でBESTです。いや、もうBESTという言葉がチープに感じるくらい今年を代表する象徴的な映画だと思う。

DVDの仕様で全長版というのが気になりました。おそらく劇場公開していない映像も含まれるのだろうと大いに期待して、早速予約致しました。

余談ですが、マツコデラックスにそっくりな方が出てくるのと、市の役員が本物のギャングよりも見た目がギャングにしか見えないというのは笑っていいのかよくわからなかった(笑)
*鑑賞中はもちろん笑う余裕などありませんでした。

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