デジタルは人間を奪うのか (講談社現代新書) の感想

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タイトルデジタルは人間を奪うのか (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者小川 和也
販売元講談社
JANコード9784062882835
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

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購入者の感想

情報や技術が未来を拓く、と言われて久しいけれど、この四半世紀の間の「つながる」ことに起因する様々な変化には、何か違和感をぬぐえない、そう感じる人がこの本を手にした時、その違和感の正体が、デジタルの光と影という形でいくつも述べられていて、ああこれだ、と納得できると思います。
著者もそうですが、インターネットなどでここまでつながらなかった時代を何とか知っている最後の世代と、インターネットでのつながりが日に日に濃密になることを当たり前に過ごす世代の間には、年齢以上にテクノロジーによって分けられた大きな溝があるのかもしれません。それは、おそらく立ち止まって考えるという行為が生活や人生に占める割合なのかもしれません。
学問や実務的な視点からは確かに真偽賛否多々あるのかもしれませんが、みんなが画面を見ているのが当たり前の景色になっている世の中に、ふと感じる違和感の正体を確かに垣間見せてくれる一冊だと思います。

デジタル社会の可能性をかなり肯定的にとらえている本であり、問題点をえぐるような記載は少ない。
全くないわけではないが、「使い過ぎは体に悪いし、脳にも影響があるみたいですよ。」とか、
「ロボットに仕事を奪われる社会が到来しますよ。」くらいな話で、まあ素人でもそれくらいは予測ができそうなレベルである。
その対策として、「考える葦として思考を鍛えよう。」、「デジタル断食しよう。」とか、ちょっと時めけない提言が続く。
国語的に違和感を感じるタイトルは措いておくとしても、タイトルと内容には若干の齟齬があるように思う。

2045年問題 コンピュータが人類を超える日 (廣済堂新書) (松田卓也)を先に読んでいたので、
デジタル社会の現状や超速の進歩についても、二番煎じ的な感じがしなくもない。
ただ、この分野の本を全く読んだことがない方にとっては、相当に刺激的な内容だとは思う。
ということで入門書として、★3をつけておいた。

将来的には、好むと好まざるとにかかわりなく、物のネット化は進むだろうし、人工知能の開発は進むだろう。
それらの展開が、希望に満ちた世界を作り上げる可能性は否定できない。
しかし、そのテクノロジーの恩恵を受けるためのコストやリテラシーのレベルについては、全く触れられていない。
普通に考えれば、自動運転車一つをとっても高額な購入コストとそれ以上の維持コストがかかるはずだ。
ウイルス感染の防止や定期メンテナンス代は、ガソリン価格の低下くらいでは相殺できないのではないか?

デジタル社会の到来は、経済格差や知識格差をより加速させる危険も内在させているので
その点に関する見解がないことが、本書の底の浅さに一役買っている気がする。

全く持って同意!

働き盛り30代の私もデジタル領域に身を置く者の一人だが、
少し気を抜くと毎日視界に入っては消えていくスマホ上の情報を
眺めて(スルーして)満足してしまいそうになる瞬間がある。
おそらく同年代の多くの方も感じることだと思う。

本書で、著者が再三記述している
「情報を見るだけで、知識となり思考していると勘違いしがち」
というワードを見るにつけ、
デジタルの利便性によって忘れがちな
「悩むこと、ひねり出すことの重要性」を再認識させられる。

過去の自分を振り返ると
「考え」「考えつくし」「考えきった」時に
成長できたという実感がある。

本書は、もう引き返せないデジタルの船に乗った我々が、
デジタルの圧倒的進化によって、人間の役割を奪われていく時代に、
「考える」ことの重要性・尊さを心にぶち込まれる作品だ。

ぜひ、同年代で
「何か新しい価値を生み出したい!が、最近、成長してないなぁ・・・」
と感じている方にオススメしたい一冊である。

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