差異と反復〈下〉 (河出文庫) の感想

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タイトル差異と反復〈下〉 (河出文庫)
発売日販売日未定
製作者ジル ドゥルーズ
販売元河出書房新社
JANコード9784309462974
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

最低限の哲学史の知識は必須だが(『図解 使える哲学 (図解 3)』←最低これくらいは必要)、生物学、数学史も知っているといい。文学史も。
あと第4章(下巻)を読む時に以下の図が頭にあるといい。

   潜在的    
  可 | 実  
  能一十一在   
  的 | 的 
   現働的  

これは縦軸に反復を横軸に差異を置いても同じことだ(序論及び、柄谷行人『探究2』文庫版150頁参照)。

   一義性
  一 | 差
  般一十一
  性 | 異
   反 復

以下のようにも書ける(第四章、ドラマ化の普遍性)。

   思考力
    十
   想像力

「潜在的なものをその反復の基底まで追及してゆくのが思考の仕事であるならば、現実化のもろもろのプロセスをそのような繰り返しあるいは反響という観点から把握するのは想像力の仕事である。」

ちなみに本書はドゥルーズの集大成であり、ほぼ全著作と繋がっているが、わかりやすい副読本としては『無人島(上)』の後半部分が最適。
プラトンをニーチェによって転覆する圧倒的著作であることは変わらないのだが、文庫本で歩きながら読むと新しい発見がある。電子書籍化を希望する。

簡易目次
はじめに
序 論:反復と差異
第1章:それ自身における差異
第2章:それ自身へ向かう反復
第3章:思考のイマージュ    ___上/下巻
第4章:差異の理念的総合
第5章:感覚されうるものの非対称的総合
結 論:差異と反復
コメント

多様性とは?
一つの問題を設定するということは、一つの解を導く。いわば、問題を設定すれば、その解が何であるかということは、問題の設定の中に含まれている。問題を設定するに当たっては、複数の問題を設定していくことが出来る。一つの問題と解が作り出す世界観。それが複数であれば、複数の世界観が成立するということになる。そして、一つの問題と解から、別の問題と解に移行することも出来る。これが流動性と運動性である。
 この世界は生成変化してやまない流動的な世界であり、同一性の存続を許さない。同一性は、永遠回帰の選別する力によって、ふるいにかけられ、破壊される。そして差異に溢れた流動する生成変化する世界が描き出される。
 これほど躍動感に満ち、読み解いていくことが楽しい哲学書を私はこの書物以外に知らない。

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