禅マインド ビギナーズ・マインド (サンガ新書) の感想

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参照データ

タイトル禅マインド ビギナーズ・マインド (サンガ新書)
発売日販売日未定
製作者鈴木俊隆
販売元サンガ
JANコード9784905425168
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

『ティール組織』や『U理論』、さらには少し遡った『7つの習慣』といったアメリカの最近の組織・経営論を読んでいると、その中核には、非常に東洋的・仏教的なものの見方が潜んでいることが窺がわれる。また今日ではより直接的に、マインドフルネス瞑想といった形のものがGoogle、Facebookをはじめとする多くの企業で採り入れられる傾向にあるが、本書『禅マインド ビギナーズ・マインド』は、米国におけるこうした「禅」への関心の大きな流れを生み出した、いわば「源流」といっていいだろう。

著者の鈴木俊隆(1905-1971)は、日本ではあまり知られていないが、欧米では、鈴木大拙と並んで「2人の鈴木」と呼ばれる著名な禅僧。1959年、55歳でアメリカに渡り、サンフランシスコ近郊で禅の普及に生涯を尽くした。本書は、その鈴木俊隆の法話集。1970年の出版以来24か国以上で翻訳された仏教書の世界的ベストセラーであり、あのスティーブ・ジョブズが青春時代にむさぼり読んだ本としても知られている。

『ティール組織』をはじめとする、組織を「機械」的にではなく「生命」的に捉える組織・経営論の核心的な部分には、「私たちの組織は、いったい何のために存在しているのか?」という「存在」に対する問いかけがある。たとえばこんな具体だ。「人間は組織の進化への目的に調和できます。しかし重要なことは、自分と他人と自分の属する組織をきちんと分けて、『この組織の使命は何か?』を見極めることです。それは、『私たちはこの組織を資産としてどう活用したいのか?』ではなく、『この組織は何のために生を受けているのか? この生命体の創造的な可能性は何か?』ということです」(『ティール組織』)。

こうした「存在」に対する根源的な問いかけ、さらにはそれを、自らを取り巻くすべてのものとの「つながり」として捉えていこうとする発想は、まさに仏教的であり、鈴木俊隆が60年前に、アメリカ人に何とか伝えたいと念願した「禅マインド」に他ならない。

本書『禅マインド

鈴木俊隆は、欧米で鈴木大拙と並び称せられる人。ダライラマやマザーテレサのように宗教宗派をこえて尊敬されています。

本書は、鈴木老師がアメリカの座禅会で語った法話をまとめたもの。一話は四〜六頁と短くて、読みやすい。丁寧忠実に訳されていて、何よりも老師の説法の迫力を伝えているのがよいです。
 
鈴木老師が強調するのは、初学者のような白紙の心で修行する姿勢です。何かを得ようとか、得たとかいう不純な考えを持たないことです。彼の法話も、知識を与えるものでなく、自由自在の話法で痕跡を残しません。

ハードカバー版は横書きで、サンガ新書の軽装版は縦書きです。読みやすさの点で、軽装版の方がすぐれていると思います。

……鈴木老師はある法話で言いました。「皆さんのうち何人かは禅のマスターになりたがっていますが、それは大変愚かなことです。私の願いは、修行を始めたばかりの皆さんのようでありたいということです。」(Zen Is Right Here: Teaching Stories and Anecdotes of Shunryu Suzuki, Author of "Zen Mind, Beginner’s Mind")

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