WOMAN 2~Love Song Covers~ の感想

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　最近，カバー・アルバムを出すシンガーが増えていますね。何だか１つのジャンルとして確立した感さえあります。で，大半はヒット曲とか名曲をカバーしているわけですし，歌唱力には定評のある方が歌っているわけですから，当然内容も良いわけで。それでも，素晴らしい歌声や表現に出会うと，聞き惚れてしまいます。
　で，本作。東海エリアのClubを中心に活動してきたMs. Oojaのカバー・アルバム第2弾です。僕，この人の歌声，大好きです。「歌姫」と言うと，広い声域にものを言わせて，キーンと高音域まで駆け上がったり，迫力ある声にビブラートかけたり・・・というシンガーが多い中，伸びやかですけど，しっとりと包み込むような歌声。本当に心地良くて，胸に染みます。
　特に，岡本真夜の「Alone」が素晴らしいです。原曲も本当にこれ以上ないっていうぐらいの名曲でしたが，今にも折れそうなほど切々と歌い上げる様子は，原曲よりも内省的で胸を打ちます。アコースティック・ジャズ風のサウンド・アレンジも切ないほどピュアで，涙を誘います。
　プリンセスプリンセスの「M」は，ピアノを基調としたシンプルなサウンド・アレンジで。一言ひとことを噛みしめるようにしみじみと歌うヴァースから，伸びやかで，しかも，しっとりとした歌声でシャウトするサビへと展開していくあたりが素晴らしいです。
　アコースティック・ジャズにアレンジしたE.L.T.の「Time Goes By」も，しっとりと愁いのあるヴァースから，内に秘めた熱い思いを伸びやかに歌い上げたサビまで情感たっぷりに歌い上げています。UAの「情熱」は，Clubを活動拠点にしていた彼女らしく，しなやかなグルーヴに乗って，小粋でソウルフルに歌い上げています。
　ロッカ・バラードの「Woman」（アン・ルイス）も，アコースティック・バラードで歌い上げるなど，全般的にしっとりと大人の雰囲気が漂います。「Departures」（Globe）でさえ，ラテン感覚の情熱と哀愁が漂うナンバーにアレンジしてしまい，自分のものにしてしまっているあたり，やっぱり歌姫と言われるだけのことはあります。

恋の歌のカバーアルバムです。どの曲についてもオージャさんの持ち歌のように歌っていて、どれも素敵です。恋の心情をかわりに表現してくれているたくさんの楽曲に感謝。誰と一緒に聴くか、はたまた、一人でお酒を飲みながら聴くか、どちらにしても素敵な体験を思い出させてくれることでしょう。どうぞお楽しみ下さい。