ブロディーの報告書 (岩波文庫) の感想
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参照データ
タイトル | ブロディーの報告書 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | J.L.ボルヘス |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003279274 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » スペイン文学 |
購入者の感想
ボルヘスの小説を読むことは私にとって、彼の知識の大海原を素潜りで無理矢理泳ぐようなもので、
気が付いたら岸に打ち上げられて気絶していた(読み終わっていた)といった感じで、理解できたとか
できなかったとかを超越した宇宙的な読書体験をさせてくれます(「伝奇集」や「不死の人」など)。
しかし、この本はそんな彼の作品の中にあって、ボルヘスが言うところの「直截な短編」集で、
読み易い表現で書かれており、前述の読書体験とはまた違った作品世界です。いわゆる〈ガウチョ〉
を登場人物にしたものが多いのですが、その中でも「めぐり合い」はハードボイルドな雰囲気を持った
作品で、〈ナイフ〉の時空を超えた存在に、読んでいる私たちも切りつけられ、血しぶきを上げる
ような感覚にさらされます。
ブエノスアイレスの漆黒の闇を味わえる一篇です。
気が付いたら岸に打ち上げられて気絶していた(読み終わっていた)といった感じで、理解できたとか
できなかったとかを超越した宇宙的な読書体験をさせてくれます(「伝奇集」や「不死の人」など)。
しかし、この本はそんな彼の作品の中にあって、ボルヘスが言うところの「直截な短編」集で、
読み易い表現で書かれており、前述の読書体験とはまた違った作品世界です。いわゆる〈ガウチョ〉
を登場人物にしたものが多いのですが、その中でも「めぐり合い」はハードボイルドな雰囲気を持った
作品で、〈ナイフ〉の時空を超えた存在に、読んでいる私たちも切りつけられ、血しぶきを上げる
ような感覚にさらされます。
ブエノスアイレスの漆黒の闇を味わえる一篇です。