もらとりあむタマ子 [DVD] の感想

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参照データ

タイトルもらとりあむタマ子 [DVD]
発売日2014-06-25
監督山下敦弘
出演前田敦子
販売元キングレコード
JANコード4988003826215
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » コメディ

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購入者の感想

映画「苦役列車」に3番手で出演し好演した前田敦子が、今度は堂々の主演で山下敦弘監督と再タッグ。脚本が監督の盟友・向井康介ということもありまさに盤石の布陣で、前田の作品へのハマり具合は「苦役列車」を軽く凌いでいる。ささやかな佇まいの映画ではあるが、彼女はひとつ大きな代表作を手にしたと言っていいだろう。

前田演じるタマ子は23歳、東京の大学を出るも就職せずに甲府の実家に戻り、スポーツ用品店を営む父とふたり暮らしをしている。そのタマ子と父の日々の暮らしを、秋編から始まり夏編まで、1年にわたって描いているのがこの映画なのだが、ストーリー性は非常に薄く、とくに秋編と冬編は潔いくらい何も起きない。春編以降も多少の起伏はあるものの、劇的な展開には全然ならない。そのかわり日常生活のディテールと、登場人物たちの言動・表情・仕草、微妙な心情の揺れをじっくり観察することができ、それだけのことがものすごく楽しい。自然主義的な描写のうまさはまさに山下監督の面目躍如だし、選び抜かれた言葉による台詞と数々の笑える名フレーズを残した向井康介もさすがだった。
私がとくに好きなのは春編である。タマ子と父の痛々しさと微笑ましさが絶妙にブレンドされたシーンの連続で、ふたりのことが愛おしく思えてしかたなかった。

最後に前田敦子の演技について。
彼女については「苦役列車」でずいぶん感心したものだが、本作ではもう脱帽というしかない演技を見せてくれた。今回とくに感じたのは、彼女は型にハマらない芝居をする役者だということだ。こういう場面ではこうくるだろう、とこちらが勝手に予想しながら見ていると、そこからズレた台詞の言い方や身体の動きが飛び出してくるのである。それによって芝居がかった印象が消え、リアリティと新鮮さがないまぜになった演技が生まれるのだ。もちろん山下監督の演出による部分も大きいだろうが、魅力的な演技を引き出してもらえるのは、やはり彼女に高いポテンシャルがあるからだろう。また、彼女にはリアルとファンタジーの狭間で揺れ動くような独特の存在感があり、それが映画の画面によく映える。こればかりは持って生まれたものと言うしかない。
今後映画女優としての彼女がどこまでいくのか、ますます目が離せない。

昨年11月の初公開当初は新宿武蔵野館の1館のみというささやかな映画(そもそも元々はCSチャンネルのイメージ映像で、
映画にするつもりは無かったらしい)ながら少しずつ上映館が増え、口コミや業界人からの評判、キネ旬ベスト10入りなど
評価が高かった事もあって、いまだにいくつかの劇場で上映中という、予想外に成長した作品。

「売れっ子アイドルがダメ人間なんか演じたって嫌味なだけだろ」なんて思っている人がもしいるならそれは大間違い。
この映画の中にいるのは、アイドルの面影など微塵も無い、全力でダメな「タマ子」そのもの。
ありがちな「可愛い女優がダメ人間を可愛らしく演じる」作品とは次元が違います。
前田敦子ファンである自分が観ても、これがあの「あっちゃん」だという感覚が無く
「うわー、この女ほんとにダメだなー(笑)」と思いながら観てました。

満席の新宿武蔵野館で観ましたが、客席が爆笑の渦に包まれる体験はそう多くはなく、色んなコメディ映画を
観てますが、最近だと大根仁監督「恋の渦」・カンパニー松尾監督「テレクラキャノンボール2013」とこの3作が圧倒的でした。

家で1人でニヤニヤしながら観るのもピッタリな作品だと思います。必見です。

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