エスケヱプ・スピヰド 七 (電撃文庫) の感想

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参照データ

タイトルエスケヱプ・スピヰド 七 (電撃文庫)
発売日販売日未定
製作者九岡望
販売元KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
JANコード9784048690409
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

冬の街、落地(おろち)で繰り広げられる八洲の未来を賭けた登坂研究所の鬼虫たちと黒塚部隊の死力を
尽くした戦い――鬼虫参番式・夜叉の剣菱と島田宗吾こと甲虫二号丸・金亀、何の因果か兄弟どうしの
対決となった鬼虫壱番式・四天の竜胆と自ら甲虫一号丸・兜となった虎杖こと黒塚(阿達)夕馬そして
叶葉を巡る奇妙な因縁を持つ朧こと鬼虫九番式・金翅の九曜と甲虫五号丸・鍬形の戦いもさることながら、
十八体の機械兵たちとともに郭公や斑猫と戦う菊丸。叶葉と別れ、黒塚部隊の側についた鵠子を
説得するべく彼女と正面から向かい合おうとする鴇子。力尽きかけた日足を背負い艦橋へと向かう叶葉。
満身創痍の中独り生き残った菊丸を直し、ともに《神鯨》に乗り込み叶葉、鴇子、鵠子を救い出そうと
する菘といった姿が描かれている。

ただ単に鬼虫vs甲虫という図式に沿った描き方をするのではなく、戦っているのは鬼虫と甲虫のみならず、
他の作品であればモブとして描かれるような機械兵たちや相対的に力を持たない存在である人間そして
バックヤードとして鬼虫あるいは甲虫を支えた登坂研究所員と登坂研究所を脱けた黒塚部隊の技術者たちの
戦いや矜持、複雑な心境といった類のことが丁寧に描かれているとともに、特にもう長くはないことを
悟った日足の走馬灯のような回想シーン――表向きは中央に捨てられた自分を見出し、甲虫という居場所を
与えてくれた夕馬に忠誠を誓って戦いに身を投じるさまは実は日足自身の承認欲求を巧みに利用され、
結果的に操られていたという姿は暗に働き手が仕事にアイデンティティややりがいを求める考え方を
利用したやりがい搾取――『望みどおりのことがやれているんだからリターンなんて無くてもいいよね』
という論理に対するアイロニーであることが分かる。

現在を生きる戦前の虫たち、過去に生きる戦後の虫たち、彼らの戦いも遂に終結を迎える。
あまり多くを語るとネタバレになりかねないので控えますがこれだけは言いたいとおもいます
エスケヱプ・スピヰド一巻とこの七巻は見事に対極にあったんだなっと思わされました!あまり参考になるようなレビューではありませんが一巻から読まれてる方ならとても満足の行く結末だと思います。

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