地域の力―食・農・まちづくり (岩波新書) の感想

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タイトル地域の力―食・農・まちづくり (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者大江 正章
販売元岩波書店
JANコード9784004311157
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

本書の中にも書かれているが、「地域振興」で新規事業というと、役所の補助金がつきもの。私が知る、首都圏ですらこの有様なのだから、地方(特に農業)はもっとひどいのだろう。しかも、例えば商店街の新規事業は、ポイントカードとか宅配とかよそで聞いた話ばかり。農業だと、補助金もらって新しい作物や農法をやってみました、などなど。コストでもアイデアでもリスクを取ろうとしない計画は、失敗による被害を最小限に抑える代わりに、大して成功もしない。こうした補助金ありきの手堅い「新規事業」のせいで、皮肉にも新しいことを何もできない自営業者が全国に蔓延しているように思える。

「つまもの」上勝町の取り組みはよく知られているが、第一次産業を中心とした本書に出てくる自営業者はみんな、独創的な試みを役所に頼らずに挑戦した、という人たちばかり。「真に成功するには独創さに加え、他に依存しない、反対を意に介さない意志の固さが必要だ、という事実を凡百の自己啓発本なんかより、よほど本書の方が教えてくれる。

本書のテーマたる地域力だが、本書の登場人物が、市場原理と自らの理念をうまく両立させていることに感心した。市場原理だけでは商売が成り立たないが、大型店のように市場原理だけでは、地域のコミュニティが破壊される。経営者と社会活動家を両立させることによって、市場による地域からの収奪を、市場と地域の共存関係に変える。本書の事例はパラダイスのような成功例ばかりなので、モデル視ばかりはできないが、今後の市場と地域のあり方を考える上で参考になった。

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