「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由 の感想

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有難いことに、出口社長には3回ほどお目にかかったことがあります。出口社長のお話はとても判りやすく、学ぶことが多く、いずれの時も素晴らしい時間を過ごさせていただきました。
はじめてお会いした時にうかがったたくさんのお話のなかで印象に残ったもののひとつが、この本の序文にも紹介されているお話でした。
「どうして60歳というタイミングで起業を決意されたのですか？」という僕の質問に「風が吹いたからです」とお答えになりました。「人生とは99.9％、思うようにならないものです。立派な志があっても、時代や状況に恵まれなければどんなに優れた人物であってもそれを果たすことはできません」と。（とはいえ出口社長が、ただ座して風が吹くのを待っておられたのではないことも、この本や「直球勝負の会社―戦後初の独立系の生命保険会社はこうして生まれた」を読んでいただければおわかりいただけると思いますが）
「それでも、0.1％あるかないかの可能性でも信じることが大切なんです。人が思わなかったことは100％実現しないのですから」と。「そうじゃないですか？」とやさしく問い返された言葉に、僕も、周りにいた人たちも、全力でうなづいていました（笑）
あったり前のことを、それこそ「直球で」投げてこれほどの説得力がある「人物」には、そうそうお目にかかれるものじゃない、と感じました。
この本は、出口社長と食事を共にしながらお話を伺っているような気持ちで楽しく読み進めることができます。それでいて、本当に勉強になるお話が詰まっています。