コンポーザーが教える作曲テクニック99 （CD付き） の感想

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本書が他の「９９」シリーズと少し趣が違う事は、他のレビューでも書かれている通りだと思う。
ただ、実践的な作曲テクニックが、キチッと９９個入っていなくても、十分「美味しい」ところは
あるし、それらを選択して、利用すればいいと思う。

サブテキストとして利用すると、非常にいいんじゃないかと思います。
嘘でも９９個のTIPSが載っているわけで、自分に必要な内容は、必ず入っていると思いますよ。
ピンポイントで作曲のテクニックを学びたい、煮詰まった時のアイデア集として。自分に合った利
用法で活用出来ると思います。云うほど悪い本じゃないですよ。

注意点としては、本書はどちらかと云えば、「アーティスト志向ではなく、職業作曲家志向の本」
だという点。９７番目のテクニックに「作曲家は職人であれ」というタイトルが付いている事からも
それが分かります。あまり問題にならない部分かもしれませんが、気になる人はいるかもしれま
せんね。

一点気になった所は、「独特の語り口調」に好みが別れる、というところ。
凄く親しみやすく、作曲の世界に誘ってくれるような語りの本がある一方で、本書は、変に砕け
過ぎている。もしかしたら、本書に厳しめの評価を付けている人は、そこら辺が引っかかったの
かな？　と考えてしまうような、そういうレベルで、です。
（笑）が多用されたり、ちょっぴり上から目線的な書きぶりで、もったいないなぁ、と思いました。

そういうのが気にならない人は、持っていて損のない一冊です。
他のレビューなんかも参考にしつつ、購入を検討してみて下さい。