小説日本婦道記 (新潮文庫) の感想

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タイトル小説日本婦道記 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者山本 周五郎
販売元新潮社
JANコード9784101134086
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

 武家の時代、男たちが命をかけて主君に仕えていた頃、男たちの家には、献身的に、しかしすがすがしいまでに強く生き抜いた日本の妻や母たちがいた。この本は、そうした女性たちの生き様をつづった11編の短編からなる。主題は、「日本女性の美しさは、その連れ添っている夫も気付かないというところに非常に美しくあらわれる」ということを小説として提示することにあったようである。彼女たちの凛然とした美しさに、思わず涙が溢れてくる感動的な作品である。ぜひ一読されることをお奨めする。まだこの本を読んだことのない人は幸せだ、この本と出会える感動をこれから味わうことができるのだから。  この作品は、昭和17-20年ころの太平洋戦争中に書かれた。当時は紙が不足していたため、限られたページ内で収まるように、作品は無駄を省いて書かれており、美しい文章のみから構成されている。  一時、この作品は男尊女卑ではないかと叩かれたことがあったようである。しかし、この作品は、夫が苦しんでいるときに、妻も一緒になって苦しみ、1つの苦難を乗り切っていくという意味で書かれたものであり、女性だけが不当な犠牲を払っているわけではない。

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