ゆきゆきて、神軍 [DVD] の感想

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参照データ

タイトルゆきゆきて、神軍 [DVD]
発売日2007-08-24
監督原一男
出演奥崎謙三
販売元GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(D)
JANコード4988102387433
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドキュメンタリー

購入者の感想

1987年の作品。マイケルムーア監督が今まで見た最高のドキュメンタリーと言ったとか。

中心人物の奥崎謙三は、大戦中ニューギニア戦線に送られ、圧倒的なアメリカ軍の戦力に手も足も出ない状態で、飢餓とマラリヤに苦しんだ日本兵の一人で、奇跡的に無事に日本に生きて帰ってきた。

そしてニューギニアの戦地で二人の兵隊が上官の指示により処刑されたという話を聞き、その歴史の闇を暴くために存命中の当事者達の家に訪れて話を聞き出す。

そこで語られたのはあまりにも恐ろしい話。二人の兵は、敵前逃亡したせいで処刑されたという兵もいたが、実際は終戦の前後であり、しかも兵隊達には闘う意欲もなくただただ生きるだけで精一杯だったことは明らか。そして別の兵達から語られた事実は、黒人兵や原住民の死体を「黒豚」と呼び食していたというもの。
最後まで明確には語られなかったが、奥崎の主張は、下級の兵から殺されて肉となっていったというもの。兵隊の中でも派閥のようなものができて、次は誰を殺すかといったような状況が垣間見れる。

撮影当時はまだ全ての当事者は存命中である。しかし当然70前後の高齢でもはや兵士の面影はない。そしてみな一様に口を閉ざす。それは、自分の行いがバレるから怖いというのも当然あるだろうけど、その思い出が余りにも凄惨すぎて人に話せばスッキリするという次元を超えてしまっているように思える。いったん人肉を口にしたら一生畜生道の世界に生きることになり、その罪悪感と自分自身への嫌悪感で完全に精神が参っているようにも見える。

でも奥崎は、そんな高齢者にも容赦はしない。自分自身が高齢者だからこそ警察も民事不介入で済ましているようだが、相手の態度が気に入らないと突然襲いかかって暴力をふるう。こんなドキュメンタリーは二度と映画作品としては認められないだろう。

この男はそもそもニューギニアでも上官に暴力を振るって食糧を奪ったりして何とか生き永らえたわけで、その後も復員船ではトラブルで人を刺し、帰ってきてから商売を始めたらでまたトラブルで人を刺し、懲役十年を食らっている。

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