拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術 (中公文庫) の感想

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タイトル拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術 (中公文庫)
発売日2012-12-19
製作者茂木大輔
販売元中央公論新社
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「拍手のルール」というタイトルから、拍手のタイミングなどクラシック音楽のマナー解説を想像しましたが、さすが茂木大輔さんだけに、一ひねりも二ひねりも! まず「拍手とは音量の大小、音程の高低、密度の密疎の3要素のかけあわせによって三次元的に変化する」と論文調で解説しています。「拍手の音量は拍手者の対外的表現意欲に比例する」「拍手の音程は拍手者の感動の表面性に比例する」「拍手の密度は拍手者の興奮度に比例する」といったぐあい。

拍手をこんな風に真面目にしかもユーモアをまじえて分析・解説するなんて、茂木さんの面目躍如です。「ここで観察したいことは拍手分布である。全員が同じような拍手をしている(統一的)か、かなり様々な拍手がブレンドされているか、それらが相互に影響を与えあっているか、というところに『聴衆の質』を看破することができる」だなんてプロ演奏者の凄みさえ感じるし、「次第に夜が明けてゆくように始まる拍手には感動的な表情がある」なんていう一文には、素敵なコンサートの情景を思い出してじーんときました。聴衆の拍手の中に含まれる多彩で微妙な表現を、音楽的な耳と感性を駆使してオモシロく分析してあります。もしかして拍手もまた、一つの音楽なのかもしれないなあと思わされました。

第三章「拍手のルール」の目次は:個別拍手音とその表現内容/集合拍手音の形成/拍手のタイミング/付加的・例外的喝采について/フライング拍手、フライングばぼー/フライング拍手防止法の提言/拍手の国民性/拍手の音楽史/他のジャンルの拍手観察

↑これだけでもじゅうぶん盛りだくさんですが、他に、指揮者式手記、名曲の曲名、調は曲の血液型、交響曲にかんするエッセイ……など面白くてタメになる内容が満載です。茂木ファンならずとも、クラシック音楽に興味のある方におすすめです。

 

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