ラウンド・ミッドナイト [DVD] の感想
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参照データ
タイトル | ラウンド・ミッドナイト [DVD] |
発売日 | 2011-07-20 |
監督 | ベルトラン・ダヴェルニエ |
出演 | デクスター・ゴードン |
販売元 | ワーナー・ホーム・ビデオ |
JANコード | 4988135861948 |
カテゴリ | DVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ |
購入者の感想
仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN: B00005HXP3、JAN 4988135530509(2001年、日ワーナーDVD)のレビュー。
原題:Round Midnight, 1986年、米=仏、カラー、133分、ベルトラン・タヴェルニエ監督。デクスター・ゴードン、フランソワ・クリュゼ、ガブリエル・アケル、ロネット・マッキー、スコセッシ他出演。オリジナル音楽と音楽ディレクターはハービー・ハンコック(出演も。他の出演ジャズマンは後述)。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。
1959年パリ。高名なテナーマン、デイル・ターナー(ゴードン)がニューヨークを逃れて、盟友・知人が多くいるパリにやってきた。彼はアル中。ニューヨークを離れたのは多くの誘惑を逃れるため、そしてフランスなら自身のサウンドを理解してもらえると思ったから。多くのミュージシャンに尊敬され、追随者を生んだデイルといえどもアメリカでは平穏は得られなかった。彼はある日フランス人デザイナー、フランシス(クリュゼ)と知り合う。フランシスは物心とも面倒をみ、健康を取り戻させようとする。本作は2人と、フランシスが引き取った一人娘ベランジェーヌ(アケル)をはじめとする人々との日々を綴る。フランシスの行為は情けでも救済ではなく、崇拝ともちょっと違う。あるものは敬意だ。感謝だ(ひょっとすると彼はアメリカのノワールやホークス作品に恋をしたトリュフォーなのかも知れない)。
デイルは誰もいない浜辺でいう。なぜ世界は丸裸なんだろう。魂と心は人間の中にある。だが世界は周りに何もない。表現する者の苦しみと不安と歓喜。それを越えた実存的孤独なのだろうか。デイルはニューヨークへ戻ることをフランシスに打ち明ける。そこにはジャズマンを食い物にする者や麻薬の誘惑があるにも関わらず。やはり彼にとってニューヨークは永遠に離れることができない自らのルーツだったのかもしれない。しかし・・。
原題:Round Midnight, 1986年、米=仏、カラー、133分、ベルトラン・タヴェルニエ監督。デクスター・ゴードン、フランソワ・クリュゼ、ガブリエル・アケル、ロネット・マッキー、スコセッシ他出演。オリジナル音楽と音楽ディレクターはハービー・ハンコック(出演も。他の出演ジャズマンは後述)。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。
1959年パリ。高名なテナーマン、デイル・ターナー(ゴードン)がニューヨークを逃れて、盟友・知人が多くいるパリにやってきた。彼はアル中。ニューヨークを離れたのは多くの誘惑を逃れるため、そしてフランスなら自身のサウンドを理解してもらえると思ったから。多くのミュージシャンに尊敬され、追随者を生んだデイルといえどもアメリカでは平穏は得られなかった。彼はある日フランス人デザイナー、フランシス(クリュゼ)と知り合う。フランシスは物心とも面倒をみ、健康を取り戻させようとする。本作は2人と、フランシスが引き取った一人娘ベランジェーヌ(アケル)をはじめとする人々との日々を綴る。フランシスの行為は情けでも救済ではなく、崇拝ともちょっと違う。あるものは敬意だ。感謝だ(ひょっとすると彼はアメリカのノワールやホークス作品に恋をしたトリュフォーなのかも知れない)。
デイルは誰もいない浜辺でいう。なぜ世界は丸裸なんだろう。魂と心は人間の中にある。だが世界は周りに何もない。表現する者の苦しみと不安と歓喜。それを越えた実存的孤独なのだろうか。デイルはニューヨークへ戻ることをフランシスに打ち明ける。そこにはジャズマンを食い物にする者や麻薬の誘惑があるにも関わらず。やはり彼にとってニューヨークは永遠に離れることができない自らのルーツだったのかもしれない。しかし・・。
映画としてはJazz giantsであるDexter Gordon、
彼自身の晩年の悲哀を語る、というものに尽きる。
狂言回し役のフランス人デザイナーが、有名人に群がるストーカーそのもので、薄気味悪い。
実際、この手の人たちを上手く利用していたミュージシャンは多かった。
Chet Baker なんてその典型で、映画の中でもChetの歌うレコードを主人公がしみじみ聴いている意味深なシーンがある。
内容そのものよりも、出てくるミュージシャンがそうそうたる面々。
狭い部屋で料理ばかりやっている不審な男、なんとヴァイブの巨匠Bobby・ハッチャーソン、いい味出している。
アカデミー作曲集をこれで獲得したH.ハンコック、洗練された見事なバッキングを聴かせる。
ギターの白人が誰だか分らなかったが、なんとJ・マクラグリンだとか。
ニヤニヤ、薄気味悪い笑顔のDrのBilly・ヒギンズ。
後半、出てくる童顔のTony Williams、彼も映画の後あっさり死んじゃった。
それにD・ゴードンがかすむ程の見事なペットのソロを空気を読まずぶちかますF・ハバート、彼も故人になってしまった。
主人公の世話を焼きつつギャラを巻き上げるデブの女将、実在の人物だそうだが、演じるサンドラ・フィリップス、
彼女の下品で迫力あるブルースも素晴らしい。
他にもW・ショーター、R・カーター、凄いメンバー。
映画はフランス人の勝手な思い込み過多で重苦しいが、なにせ出てくる面々で救われ、
何度見てもあきない。
彼自身の晩年の悲哀を語る、というものに尽きる。
狂言回し役のフランス人デザイナーが、有名人に群がるストーカーそのもので、薄気味悪い。
実際、この手の人たちを上手く利用していたミュージシャンは多かった。
Chet Baker なんてその典型で、映画の中でもChetの歌うレコードを主人公がしみじみ聴いている意味深なシーンがある。
内容そのものよりも、出てくるミュージシャンがそうそうたる面々。
狭い部屋で料理ばかりやっている不審な男、なんとヴァイブの巨匠Bobby・ハッチャーソン、いい味出している。
アカデミー作曲集をこれで獲得したH.ハンコック、洗練された見事なバッキングを聴かせる。
ギターの白人が誰だか分らなかったが、なんとJ・マクラグリンだとか。
ニヤニヤ、薄気味悪い笑顔のDrのBilly・ヒギンズ。
後半、出てくる童顔のTony Williams、彼も映画の後あっさり死んじゃった。
それにD・ゴードンがかすむ程の見事なペットのソロを空気を読まずぶちかますF・ハバート、彼も故人になってしまった。
主人公の世話を焼きつつギャラを巻き上げるデブの女将、実在の人物だそうだが、演じるサンドラ・フィリップス、
彼女の下品で迫力あるブルースも素晴らしい。
他にもW・ショーター、R・カーター、凄いメンバー。
映画はフランス人の勝手な思い込み過多で重苦しいが、なにせ出てくる面々で救われ、
何度見てもあきない。