小さいおうち (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル小さいおうち (文春文庫)
発売日2012-12-04
製作者中島 京子
販売元文藝春秋
JANコード9784167849016
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » な行の著者

購入者の感想

戦前のある中産階級家庭で
住み込みの“女中”として働いていたタキという老女の回想という形で
物語は進んでいく。

再婚の“奥様”とともに、
新しい家に仕えるようになるタキ。

赤い屋根の洋風の新築の家には
小さいけれど、タキだけの部屋もあり、
この家を“終の住処”にするつもりで奉公に励んでいる。

戦前から戦争に向かう頃の東京の生活が、
戦争が激しくなって
タキが郷里へ帰ることになるまで、
テンポよく軽やかに、
心地よい流れで語られていく。

終盤、
「小さいおうち」というタイトルの意味が明かされ、
また、
最後までタキの口からは語られることのなかったある事実を
読者は別の語り手によって知ることになる。

地味な題材にもかかわらず、
読後に強い印象を残す作品。

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