易経〈下〉 (岩波文庫 青 201-2) の感想

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タイトル易経〈下〉 (岩波文庫 青 201-2)
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784003320129
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門

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 下巻は、周易下経と周易繋辞伝上伝・下伝、周易説卦伝、周易序卦伝、周易雑卦伝を収録している。周易の上経・下経を通読していくと、だんだんにその叙述の特徴と表そうとする世界観・宇宙論が明らかになっていくところが面白かった。それぞれの卦に含まれる六つの「コウ」(該当する漢字が見つからなかった)が、初コウから終コウまで時間的にも連続し、空間的にも連続して捉えられ、六つのコウにそれぞれの陰陽を見て、隣り合うコウ同士や1と4、2と5、3と6で感応しているかいないかをも勘案し、それぞれのコウにおかれた人間の状態について解釈・解説し、処世の策を示していく展開が上経下経で続いていて、この方法だと読むものは自分の境遇について思いをめぐらすことができるし、処世の術も学べる。しかもその叙述が決して観念的には終わらずに、自然現象や家族の係わり合いや他人との交際、国家を治めることについての具体的な例を用いているから、退屈することがない。一つ一つが決して長く書かれていないのもいい。

 そんな上経下経に比べると、繋辞伝は上経下経での内容を総合し、一貫した論理体系に纏めようとする意図で書かれている。どうも朱子による論理構成が加えられているようだが、読んでいくと論理的には非常に説得的だし非常にスムーズな叙述になっているが、上経下経のような面白みがないように思う。説卦伝・序卦伝・雑卦伝と続いていくと、最後はそれこそ落語のネタになりそうな書かれ方に思えてくる。

 ともあれ、易経で示された易簡・変易・不易の宇宙論が非常に動的で壮大な体系であることが十分にわかる書籍だった。中国思想に興味がある人にはうってつけだと思う。

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