家族が選んだ「平穏死」 看取った家族だけが知っている本当の「幸せな逝き方」 (祥伝社黄金文庫) の感想

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タイトル家族が選んだ「平穏死」 看取った家族だけが知っている本当の「幸せな逝き方」 (祥伝社黄金文庫)
発売日2013-07-24
製作者長尾 和宏
販売元祥伝社
JANコード9784396316143
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

まだまだ病院で最後を迎える人が多いのが現状ですが、この本を読んで自宅で平穏死を迎えたいと思う人が1人でも増えるといいなあと思いました。最後まで人間の尊厳を保ちながら死んでいくことのすばらしさを痛感しました。
実際に自宅で看取った家族の経験談がたくさん載っているので今、病院で闘病されている患者さんやその家族で自宅に帰りたいと悩んでいる方には大変参考になります。
Dr長尾の平穏死のコツも要点を分かりやすく書いているので大変参考になると思います。

いち医療従事者です。患者様家族・医師・看護師の視点から事例を挙げて書かれていて、在宅医療の実際がイメージし易い一冊だと思います。10年程前、祖母が入院中医師から急変もあり得ると説明を受け、その日から祖母が一人ぼっちで逝くことの無い様親戚12人程でシフトをくみ交替で看病していました。最期になるであろう日にはほぼ全員が病院に駆け付けていましたが、個室にも関わらず、迷惑そうにする看護師スタッフ。黒い便が出ているとナースコールしたがオムツ交換は部屋順。と一時間以上経ってやっと来たオムツ交換時に全員追い出されている間にナースステーションの祖母のモニターが0になり、家族から看護師に0になった事を報告。皆に慕われていた祖母を穏やかに看取ることは出来ませんでした。患者とその家族が主体の看取り、そしてそれを支える医療従事者、ケアマネージャーの力、地域の協力。。。こんな世界があることを知っていたら間違いなく病院を出る事を選択していたと思います。病院医師の云うなりでなく看取りの場の選択はご自身、ご家族にあることを色んな方に知って欲しいというそれぞれの方の思いが詰まった一冊です。

 私は30余看護師として、たくさんの患者さんの最後を病院で看取って来ました。長い歴史(?)の中では、一分一秒の延命が誰もが望む医療の目的となって疑う余地もない時もありました。本人への告知もそんな事とんでもない事として、本人が一人癌の苦痛と孤独の苦しみと戦わなければならない時を経て、今は普通になりました。
抗がん剤も今は副作用も強くなくその恩恵を享受できている方がたくさんいらっしゃる時代になり、緩和医療という癌と戦わない共存して最後まで苦痛なく過ごせる治療法も確立しました。

 長く癌の方たちの最後を看取って来て思ったことは、病気で死ぬなら、私も癌で最後を迎えたいということでした。何を言い出すのか、と思うかもしれませんが、癌で死ぬということは、最後まで自分の意志で生きられるということです。
そしてもう一つ、高齢者となって体が老衰状態になったら、娘には家に連れて帰って欲しいと伝えてあります。飲んだり、食べたりできなくなったら家に連れて帰り、会社には忌引きを前倒しで下さいと言って休みを貰って私に付き合って欲しいと。きっと私は満足できる最後の時を家族と一緒に迎えることができるでしょう。

 私は、数えきれないほどの「何かあったら呼んでください」と人生の最後の別れの時期を、病院に一人置き去りにされ、寂しく旅立つ患者さんを看取り続けてきました。意識朦朧としながら、苦痛に歪む表情でこの患者さんは何を頑張らせられているのだろうといつも思いました。必死に頑張っても家族は意識がなくなったらしか来ないのに。
また明日来るからと空しく手を放して帰る家族も辛い気持ちもあると分かっていても、亡くなったら、1週間忌引きという休みがあるのなら、その内の2〜3日でいいから、傍にいてあげる日に当てて欲しいと思ったものです。
「十分に頑張ったよね、もう頑張らなくていいよ、私が看取ってあげるから…」私に出来ることは、心の声を掛けてあげることぐらいでした。

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