駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する (中公新書ラクレ) の感想

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タイトル駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する (中公新書ラクレ)
発売日販売日未定
製作者中原 淳
販売元中央公論新社
JANコード9784121504937
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » マネジメント・人材管理

購入者の感想

30年前なら課長代理や係長の段階で課長の練習をさせてくれたのかもしれませんが、今や部下なし係長さんや権限なし課長代理さんはざらにいると思います。そんな中でプレーヤーとしての成果だけで課長に抜擢されては混乱するのも当たり前。しかも、中原理論では取り上げられていませんが、混乱して面目を失った課長さんはスタープレーヤーだった過去の栄光にすがろうとしてプレーヤー比率を自ら高めてしまい(「俺ってプレーヤーとしてはすごいんだぜ」)、大変そうな姿を部下に見せて憐憫による求心力を得ようとする始末(「大変なんだから助けてよ」って、あ、ありし日の私か…)。
そんな駆け出し課長さんには自己理解にもってこいの本です。
ただし、理解はできますが解決法はほとんど載っていませんので、ドラッカーやミンツバーグや中原先生のフィードバックの本なんかでヒントを得てください。

東大で企業内人材育成を専門に研究されている中原先生の最新刊。仕事柄、先生がこれまでに出版されてきたご著書にはたいてい目を通していますが、これまでに読んだものの中でいちばん好きでおもしろいと感じました。それはきっと「バランス」がいいから。

「マネジメント」や「マネジャー」について書かれた本は、自分がこれまでに読んだものの中で比較すると「難しすぎる」か「簡単すぎる」と感じるものが多いです。難しすぎるのは、主に学術的に厳密に書かれたもの。「マネジメントとはそもそも~」みたいなことが、難しい用語や硬い名詞を中心に表現されていて、勉強にはなるけれど実務に結びつけるために「翻訳」するのが難しい。ドラッカーの本なんかも、もちろん読んでいてすごいなーためになるなーと思うのですが、哲学的で抽象的で、実際の仕事の実務に活かそうとするには難易度が高い。

かたや「簡単すぎる」ものは「個人の経験談」を中心に書かれたもの。簡単すぎるというと語弊があるのですが、ここは比較をわかりやすくするためということでひとつ…苦笑。「個人の経験談」からももちろん学びを得ることは可能ですが、すべてがすべて自分に真似できるものでもないし、真似したからといって本当にうまくいくかどうかわからない。またその人がマネジャーとして成功したのは環境や運に恵まれたからであって、経験談の中に描かれているマネジメント行動を取ったからとは言えないのでは?と思うこともしばしば。いわゆる「生存バイアス」というやつですかね。

ちょっと極端すぎますが、こうして両者と比較すると、この本はとても「バランス」がいい本だと思います。つまり「学術的な研究」と「個人の経験談」がうまくミックスされながら、よいマネジャーになるためにはどうすればいいかが描かれている。先生が過去に実施されたアンケート調査の結果をちゃんと統計的に示しつつ、数字だけではカバーできない部分については、実際にマネジャーとして活躍する方々へのインタビュー調査から得られた「生の語り」として加えることでうまく補完し、さらに説得力が増していると思います。

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