賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編(4) (ヤンマガKCスペシャル) の感想

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タイトル賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編(4) (ヤンマガKCスペシャル)
発売日2014-09-05
製作者福本 伸行
販売元講談社
JANコード9784063825237
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

オリジナルギャンブルとそれに挑戦するカイジの頭脳戦が面白いコミックです。
基本的にダメ人間のカイジですが、ギャンブルの攻略法を考え始めると博才を発揮します。
ルールの本質や裏側を上手く利用して勝つべくして勝つと言うストーリーになっています。
読者も考える余地があるので読んでいて飽きません。
ギャンブル以外の部分のカイジは相変わらずダメ人間だと言う設定もこの物語にマッチしていると思います。
星を減らした理由は初期のカイジに比較してギャンブルのネタが弱くなっている点です。
初期のカイジが良すぎただけに、残念さが大きいです。

勝つために耳をそぎ落とし指を賭けろと言ってるわけではないですが当時の崖っぷち感と言いますか
そういったものが今のカイジから明らかに欠落してしまっている気がします。
底辺に蠢く人間の切実なる足掻きといったところでしょうか。
断っておきますが別に身体の部位欠損を求めてるわけではないのです。
今回の敵である和也にも、手助けを断り焼き土下座をやり通した利根川の矜持などそういった魅力を
感じる事ができません。
外国人二人を過去キャラに当てはめてみると底辺でありながら仲間同士の結束とそれを一人背負う
カイジといったシチュエーションを期待はするのですがやはりここでも何かが足りない。
三人組の挙手ゲームからやっと和也戦に突入しましたがただ長引かせるだけの退屈な心理戦。
やはりこの心理戦も姑息な罠と圧倒的な不利の中から一筋の光明を見出すような当時の心理戦とは程遠く
仇敵兵藤和尊の背中はまだまだ遠いようです。

詰まらない。ただひたすら。
理由としてはワンポーカーというギャンブルの底が既に見えてしまっているという所がある。イカサマが封じられている以上、心理的駆け引きで魅せる以外無い訳だが、基本的に「相手のカードを読む」以上の駆け引きが無いのでどうにも単調に見えてしまう。Eカードなどは相手の思考を洞察する事こそが「本物の会話」である、という部分で、ギャンブル以上の心理戦として昇華されていたが、これは「只のギャンブル」でしかない。ぶっちゃけた話、普通のポーカーで勝負した方がまだ面白かったのではないか。

もう一つは勝負に賭けているものが安く見えるという事。鉄骨渡りでは2000万という大金が「金は命より重い」という至言の元、人生を積み重ねてこなかった者にとって命と対価であると描いていたからこそ緊迫感が生まれていた訳だが、本シリーズではそういったものが全く感じられない。或いは「銀と金」の初期、森田への依頼の報酬金を銀次が減らしていく時の「命を削られている」感覚、あれがない。カイジが賭けているのは何の背景も無い「只の金」であり「只の命」なのである。なので、カイジが勝とうが負けようがどうでもいい気分になってしまう。

もう一つ。社長との17歩での勝利で億単位の金を得たカイジには本来、これ以上ギャンブルを続ける理由が無い。にもかかわらず、この様に破滅をかけたギャンブルに身を投じている。つまり、中毒という事である。が、その「狂気」が描けていない。カイジの本勝負に対する姿勢ってきわめて保身的というか。自分の利益を守る事に凄く執着しているように思える。カイジはもう会長の言っていた「焼かれている」状態な筈でしょ。その狂気たるものをもっと見せてほしいと思うのだけれど。「銀と金」で森田が「ギャンブルとは身投げである」と語っていたけど、そういう部分を描けばもう少しかつてのヒリヒリ感が出てくるようにも思う。

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