経営者・フリーランスのための Amazon Kindle執筆術: コンセプトを磨いて集客に役立てよう！ の感想

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　インターネット時代の到来によって書籍の出版とまではいかなくとも、ブログやSMS等のメディアで文書を記す人の絶対数は間違いなく増えている。そうしたクラスタには「Kindleでの出版（というのだろうか！？）」のように、敷居がそこまで高くないと感じられる自己表現の手法に興味を抱くことがあっても不思議ではない。思い返すとブログが登場した時には「自分（及び他者）の雑文が世間に向けて公開できる」ことに軽い興奮すら覚えたものだ。電子書籍市場が徐々に広がっていく中で、「自分が取り組むならひとまずKindleかな」と考える人も少なくないだろう。
　本書はそうした「執筆作業」について確かな補助線の役割を持つと思う。中身は「モノを書く」ことについてのアプローチについての比重が大きく、その意味で表題から受ける「Kindleのための…」と言った限定的な印象とは異なるものだ。単に本書の訴求としてはこうしたタイトルになるのだろう（出版企画上の話か）。Kindleに限らず、何か「書きたい」と漠然と思っている人にも適した内容と言える。

　電子的に文書を扱ってきた「IT世代」の人達は一定程度の雑文を扱うことには恐らく慣れている。しかしKindleとは言え、出版ともなれば「本としての体裁を整える」必要がある。「電子媒体」という同カテゴリーに属するブログやSMSとKindleでの執筆が異なるのはこの点であるし、それを整理・補助する内容が本書のメインコンテンツと言ってよい。単に文書を綴るという作業を超えて、編集・校正・出版していくところまで誘導しようと試みており、著者の思考もそこに着地しているようだ。この一連の作業を消化できるようになると、「出版という自己実現」との距離が近づくはずである。