「つながり格差」が学力格差を生む の感想
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参照データ
タイトル | 「つながり格差」が学力格差を生む |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 志水宏吉 |
販売元 | 亜紀書房 |
JANコード | 9784750514055 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
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購入者の感想
気鋭の教育社会学者による近刊だそうである。
メディアにも時々取り上げられていたので、早速読んでみたのだが、これがなかなか説得力のあるわかりやすい内容であった。
2007年、およそ50年ぶりに実施された全国統一テストの結果から、学力の「つながり格差」の仮説に行き当たる。
「つながり格差」とは、学力(この場合は統一テストの結果)と、家庭(家族)、地域、学校(教師)と子供の緊密な関係の度合いが比例するというものだった。
そして、学力格差の根本原因、学力と社会観系資本との関係、効果のある学校づくり、格差克服に向けた政策的な努力と言う内容が続く。
いわゆるPISA調査の結果や諸外国の実態なども交えながら、上位層と下位層のふたこぶラクダ化を解消、特に下位層の引き上げが重要だと説く。
全体に、この厳しい社会環境の中で日々頑張っている教員諸氏の努力を認めつつ、社会の意識変革を目指す論調は目新しいものではないが、読みやすいので万人にお勧めできる好著である。
昭和50年代の全国統一テストで最下位近辺だった秋田県が、2007年のテストの結果(どうせ、また下位だろう、と悲観していた)が出る前にどのような言い訳をしようかと本気で悩んでいた、というエピソードがほほえましいのだった。
メディアにも時々取り上げられていたので、早速読んでみたのだが、これがなかなか説得力のあるわかりやすい内容であった。
2007年、およそ50年ぶりに実施された全国統一テストの結果から、学力の「つながり格差」の仮説に行き当たる。
「つながり格差」とは、学力(この場合は統一テストの結果)と、家庭(家族)、地域、学校(教師)と子供の緊密な関係の度合いが比例するというものだった。
そして、学力格差の根本原因、学力と社会観系資本との関係、効果のある学校づくり、格差克服に向けた政策的な努力と言う内容が続く。
いわゆるPISA調査の結果や諸外国の実態なども交えながら、上位層と下位層のふたこぶラクダ化を解消、特に下位層の引き上げが重要だと説く。
全体に、この厳しい社会環境の中で日々頑張っている教員諸氏の努力を認めつつ、社会の意識変革を目指す論調は目新しいものではないが、読みやすいので万人にお勧めできる好著である。
昭和50年代の全国統一テストで最下位近辺だった秋田県が、2007年のテストの結果(どうせ、また下位だろう、と悲観していた)が出る前にどのような言い訳をしようかと本気で悩んでいた、というエピソードがほほえましいのだった。