医師もMRも幸せにする患者のための情報吟味―ディオバン事件以降の臨床研究リテラシー の感想

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参照データ

タイトル医師もMRも幸せにする患者のための情報吟味―ディオバン事件以降の臨床研究リテラシー
発売日販売日未定
製作者山崎 力
販売元SCICUS
JANコード9784903835754
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 医学一般 » 医療統計学

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『医師もMRも幸せにする患者のための情報吟味――ディオバン事件以降の臨床研究リテラシー』(山崎力著、SCICUS)は、恐るべきというか、勇気あるというべきか、滅多にお目にかかれない直言の警告書である。製薬企業も臨床試験も実名でばんばん登場してくるし、そのどこの部分がアウトなのかも明示されている。

「現実に、日本発の論文が査読に通りにくくなる事態も出てきているようだ」。我が国の臨床研究の不祥事が相次ぎ、その信頼性が国際的に揺らいでしまった今、ドクター、製薬企業幹部、MRのみならず、CRA(モニター)、CRC(臨床研究コーディネイター)、データマネジメント担当者にも読んでもらいたい本だ。著者は、国に対しても研究者主導臨床研究のルールの明確化を求めている。

「日本では、治験でない臨床研究に製薬企業の人間が直接関わることは、原則として許されない。アカデミア・研究者が主体となって行わなければいけないのだ。一方、海外では、GCPに則って行われる臨床試験に、堂々と製薬企業の人間が関わり、統計解析したり、データ収集やクリーニングを担当したり、データ解釈をしたり、論文を書いたりすることが許されるのである(ただし、厳格な品質管理・品質保証<モニタリング、監査、GCP適合性調査など>が必要である)。GCPでしばってしまえば、こういうこともできる」からである。

国によるルール変更を待たずとも、日本発の臨床研究のレヴェルを向上させる秘訣があると明かす。「今日からできる簡単な方法を一つ提供するとしたら、医学論文執筆に関する国際指針に統一するということだ。たとえば、CONSORT声明は、RCT(ランダム化比較試験)論文を書く際のチェックリストを示している」。

臨床研究における捏造・改竄といった不正行為は論外として、臨床試験を担当する者は「spin」をかけたいという誘惑に駆られ易い。「二次エンドポイントの結果や後付け解析の結果を誇張したり、ある特定のサブグループ解析だけを強調したり、『統計的に有意でない』ことを『効果は同等』と言い換えるような不適切な解釈。論文の結果を回転させ、目をくらませる変化球。ねじ曲げるという表現がぴったりだ。このような報告方法を、spinという」。

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