福野 礼一郎のクルマ論評2014 の感想

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自分は自動車部品メーカー関連会社に勤務、評価関係の仕事をしています。
このレポは、Motorfan誌の連載で、一読者として読んできました（現在進行形）。
以下の理由で、自分はいま一番このレポを信頼しています。

ユーモラスな表現も交えながら、面白おかしく試乗の体感報告をしているが、
公明性と客観性を保とうとする姿勢が、バックボーンとして感じられること。

第１に報告の前提として、評価年月日、試乗車の識別（車台番号）、試乗ルート、試乗状況（天候等）、
タイヤ銘柄など、体験の状況がしっかり明記してある。
特に車台番号の明示は、個体差の公明性がある。

次に運転体験だけでなく、必ず同乗走行（後席）を行っている。
また文脈から、同乗者とディスカッションしながら、体感を相互チェックしていることが分かる。
これによって体験の質を増しており、レポの客観性を高めている。

第３に、体感印象が中心で、分析ー評価が控えめ。
結果、偏見や誤謬が少ない。
Testerは設計経験者でも開発実験経験者でもない（はず）。
体感印象を重視し、分析ー評価は一部Readerに委ねるという立ち位置は適切。

単行本化で購入し、全編読み直しましたが、後日談が追加されている点等、
内容の濃度がさらに増しているといった印象を受けました。
特に10数台の固体に乗ったという、BMW３シリーズのレポは迫真性がありました。

評価に偏見があるといった、評判の悪い部分もある筆者の方なようですが（失礼）、
これからも公明で客観的な、面白い新車レポを続けていただきたいです。
終わります。