アホの壁 (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトルアホの壁 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者筒井 康隆
販売元新潮社
JANコード9784106103506
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » た行の著者

購入者の感想

ミリオンセラーを記録した『バカの壁』(養老孟司)。発売当時に読んだが、いま内容をまるで覚えていない。いや、じつは当時も「バカの壁」とは何なのかわからなかった。いったいあれは何だったのか。その理解を遮っていたものこそが私のバカの壁なのか。
で、筒井康隆先生の『アホの壁』である。書店の店頭で本書を見つけて快哉を叫んだ。「これだ、私が読むべきはこっちなのだ!」と。帯にも書いてある。「人間は、考えるアホである。」と。「その通りです。私がそのアホです」。その見事な惹句の横に置かれたスリーピースをビシッと着こなした筒井先生の写真が「そうだ、お前のようなアホのために書いたのだ」と言っているようだった。
しかし、はっきり言って後半はつまらない。先生お得意の心理学などの学問的知識がばらまかれているだけ。
非常によく理解できたのは、第1章「人はなぜアホなことを言うのか」。この章だけでも読んでよかったと思える。
ここでいう「アホなこと」とは、「つまらない物言い」のこと。
「会議や談笑の席で、話の流れを無視して、突然まったく無関係な話や、人の話の些細なひと言に反応してつまらない話を始める人がいる。それがつまらない話であることは自分でもわかっているのだが、どうしようもなく話してしまう」という文章はよーくわかる。人を見ていてもわかるが、自分がそんな発言をまますることがあることもわかっている。
そんな「言うべきではないと思いつつも、それを言ってしまうというアホな行為」はどうしたら避けられるか。その答えを筒井先生が書いていたかどうか忘れたが、自分でわかった。
黙っていることなのである。
アホはアホなりに、アホなことを言いそうな自分がいることに気づく。そのときに言葉を飲み込んで、相槌を打つだけにするのである。人の発言に関連して自分の知識をつい披瀝したくなったときにも、「なるほど、そうですね」と言うだけで黙り込む。カミサンの意図不明の挑発的発言にも「そうかもしれないね」と言うだけで黙り込む。これしか、自分のアホをさらけだして後悔するという流れを止める術はない。
実際にそうできるのかと言えば、できるんですね。意外と。最近、カミサンからつまらないことを言われてもその作戦で、夫婦げんかを避けている。

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