どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫) の感想
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参照データ
タイトル | どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 北 杜夫 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101131030 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日記・書簡 » 日本文学 |
購入者の感想
楽しく読み終えました。遠い過去に宣伝され過ぎていた感あり、読むことを避けていました事を反省、面白く読め楽しめました。
わたしが初めて読んだ大人の本。
航海中の壮絶な体験が記されているわけでもない。「私」が航海で経験したこと、感じたこと、思ったことが自虐的ですらあるのに決して下品にはならないユーモアで描かれている。ところが、俗物的な人物のように書かれている「私」は突然詩人になり、その想いを叙情的に語り始めたりする。そのギャップが北杜夫だ。
そして、リアルだとか、臨場感溢れるといったことを主題とした紀行文でないにも拘わらず、「小説家」北杜夫の瑞々しい文章によって、その情景が次々に目に浮かんでくる。50年近く前に書かれたこの作品が現在に至るまで読み継がれているのは、この文章があるからだろう。
私が初めて読んでからもう25年以上が経過している。海外旅行は一般的ではなかった時代だったので、全く知らない「異国」が書かれたこの作品を何度も繰り返し読んだ。そして、今でも時々読み返すことがある。
航海中の壮絶な体験が記されているわけでもない。「私」が航海で経験したこと、感じたこと、思ったことが自虐的ですらあるのに決して下品にはならないユーモアで描かれている。ところが、俗物的な人物のように書かれている「私」は突然詩人になり、その想いを叙情的に語り始めたりする。そのギャップが北杜夫だ。
そして、リアルだとか、臨場感溢れるといったことを主題とした紀行文でないにも拘わらず、「小説家」北杜夫の瑞々しい文章によって、その情景が次々に目に浮かんでくる。50年近く前に書かれたこの作品が現在に至るまで読み継がれているのは、この文章があるからだろう。
私が初めて読んでからもう25年以上が経過している。海外旅行は一般的ではなかった時代だったので、全く知らない「異国」が書かれたこの作品を何度も繰り返し読んだ。そして、今でも時々読み返すことがある。
学生時代に出会いました。この本から北杜夫にどっぷりはまり、新潮から出ている本はすべて購入しましたが、「どくとるマンボウ航海記」が結局一番だったと思います。何を書いても素直に受け入れる気持ちになれるのは、日本作家では珍しい優れたユーモアセンスのおかげですね(才能ゆえ鬱病になるのですが・・・)。本当に面白い本ですし、薄い文庫本ですから出張の電車の中で読むのにはぴったりなんですよね。前向きで明るい気持ちになれること受けたいです。旅に出たくなるという副作用もありますが。