私訳 歎異抄(たんにしょう) (PHP文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 私訳 歎異抄(たんにしょう) (PHP文庫) |
発売日 | 2014-04-03 |
製作者 | 五木 寛之 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569761633 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
※サンプル画像
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購入者の感想
私はこの五木さんの本で初めて歎異抄を読みました。
初学、という観点からは、読みやすい本であり問題なく読了することができました。
以前には別本で歎異抄に挫折した経験があった、という点では初めてのものにとって読みやすい、という意味です。
次に、別の著者(訳者)の歎異抄や、真宗教団の歎異抄の現代語訳と対比しながら読んでみると、相応の相違点が発見されました。
語順が違っていたり、本文に無い箇所の補足や、二重否定表現を肯定文に言い換えるなどが主たる相違ですが、本文解釈にかかわると思われる点も散見されました。
この点については、本書は五木先生が「私訳」としてご出版されたものであり、先生のご見解の表明であるということを了承の上で読めばよいことと思われます。
なぜなら、歎異抄は(古代ギリシャ語及び写本の問題という点で正文批判の極めて難しい聖書とは異なり)古語とは言え日本語で書かれたものであり、しかも本書には歎異抄の本文が収録されているので、読者が直接原典に触れて考えることが可能であるからです。
このような原典との相違をまず指摘しました。
しかし親鸞の、若しくは著者である唯円の「他力」概念については、初読のものにとっても誤読の余地のない十分な訳出がされています。
また、「悪人正機」概念については、五木氏のものであるかもしれませんが、上述の「他力」概念と矛盾の無い説明がなされています。
この点において、初読者を誤らせる恣意的な訳ではない、という点において、訳として一定の水準は確保されていると思います。
以上の点から、歎異抄に触れたことのない方の場合は本書は問題なく推奨でき、そうでない方なら五木先生のご見解を知りたいという場合に有用であると思います。
初学、という観点からは、読みやすい本であり問題なく読了することができました。
以前には別本で歎異抄に挫折した経験があった、という点では初めてのものにとって読みやすい、という意味です。
次に、別の著者(訳者)の歎異抄や、真宗教団の歎異抄の現代語訳と対比しながら読んでみると、相応の相違点が発見されました。
語順が違っていたり、本文に無い箇所の補足や、二重否定表現を肯定文に言い換えるなどが主たる相違ですが、本文解釈にかかわると思われる点も散見されました。
この点については、本書は五木先生が「私訳」としてご出版されたものであり、先生のご見解の表明であるということを了承の上で読めばよいことと思われます。
なぜなら、歎異抄は(古代ギリシャ語及び写本の問題という点で正文批判の極めて難しい聖書とは異なり)古語とは言え日本語で書かれたものであり、しかも本書には歎異抄の本文が収録されているので、読者が直接原典に触れて考えることが可能であるからです。
このような原典との相違をまず指摘しました。
しかし親鸞の、若しくは著者である唯円の「他力」概念については、初読のものにとっても誤読の余地のない十分な訳出がされています。
また、「悪人正機」概念については、五木氏のものであるかもしれませんが、上述の「他力」概念と矛盾の無い説明がなされています。
この点において、初読者を誤らせる恣意的な訳ではない、という点において、訳として一定の水準は確保されていると思います。
以上の点から、歎異抄に触れたことのない方の場合は本書は問題なく推奨でき、そうでない方なら五木先生のご見解を知りたいという場合に有用であると思います。