懐かしい未来 ラダックから学ぶ の感想

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参照データ

タイトル懐かしい未来 ラダックから学ぶ
発売日販売日未定
製作者ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ
販売元懐かしい未来の本
JANコード9784905317005
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購入者の感想

これほど社会システムについて考えさせられる本はないと思います。
座右の書としていつまでも持っておきたいと思います。

この本は3部構成になっています。

第1部はラダックの伝統的な暮らしや価値観について記載されています。
伝統的な暮らしは、教育を受ける機会はなく、非効率的な農作業をしている。端から見ると地味で面白みがない。だが、著者がラダックで数年間暮らしていると、彼らは驚くほど心穏やかで、心から幸せであることがわかるようになった。

第2部はラダックに近代化の波が押し寄せてきたことによる影響について書かれています。
70年代から、ラダックに開発の波が押し寄せると人々の生活は一変。貨幣社会では持続可能な人口が把握できないので、人口爆発がおきる。すると、人は都市部へ移住し、都市部では高い失業率を記録し、犯罪が横行する。それまでほとんどなかった異教徒間の争いが勃発。近代化によって仕事の量は減るはずが、逆に仕事は忙しくなり、精神的なストレスがたまりやすくなる。都市部の核家族では、みな仕事が忙しくて家族が一緒にすごす時間は少ない。かといって仕事をしなければ、社会との接点もなくなってしまう。地域での人の絆は薄れ、隣人同士は他人だからだ。非貨幣社会では人がもてる冨の量には制限があるが、貨幣社会では貧富の差は際限なく拡大してしまう。都市部ではお金がなくて最低限の暮らしもできなくなる人が急増。所得を比べると、都市部のホームレスと、伝統的な暮らしをする民族の間に大差はない。しかし、両者の暮らしぶりには雲泥の差がある。

第3部はラダックの状況から読み取れる教訓について記載されています。
先進国が行っている開発援助は、実際には負の影響が大きいこと、しかも、開発援助をしても一部の政治家が上澄みをすくっているだけのことも多いことを警告。グローバリゼーションによりもたらされた負の側面に警鐘を鳴らし、あえてローカリゼーションに回帰すべきと説きます。過去の伝統的な暮らしに帰る。だから「懐かしい未来」なのですね。

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