資本主義以後の世界―日本は「文明の転換」を主導できるか の感想

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タイトル資本主義以後の世界―日本は「文明の転換」を主導できるか
発売日販売日未定
製作者中谷 巌
販売元徳間書店
JANコード9784198633134
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

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本書は、賛否両論を引き起こした3年前の『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社文庫)の続編と位置づけることができる。

前作で著者は、グローバル資本主義の<欠陥>として、以下の3点を挙げていた。
(1)グローバル資本が国境を越えて移動するため、経済が不安定化する。
(2)資本のあくなき増殖のため、環境破壊が進展する。
(3)グローバル競争下では所得格差が広がり、社会の二極化現象が生じる。

現在、以上の3つの<欠陥>は顕在化した、といっていい。
ギリシャ危機に端を発した<ユーロの危機>は、(1)を証明する。
福島原発の事故は、(2)の証左。
日本におけるワーキングプアの発生やアメリカにおける「99対1」のデモは、(3)を証し立てる。

では、なぜ資本主義は行き詰ってしまったのか――と自問しつつ、著者は資本主義500年の歴史を検証し、そこから<フロンティアの消滅>という結論を導き出す。

(1)戦後、植民地の独立がつづいたため、収奪可能な<地理的フロンティア>が消失した。
(2)リーマン・ショック後、<金融フロンティア>が縮小した。
(3)環境破壊の進行によって<自然フロンティア>も消失しつつある。

これに加えて、世界各国の財政状態が軒並み悪化していることを考えれば、著者が指摘するとおり、グローバル資本主義が大きな曲がり角にさしかかっていることは確かである。
それなら、われわれはどうすべきか? 
本書後半で示される<処方箋>のポイントは、サブタイトルの「文明の転換」に在る。

たとえば、グローバル資本主義がもたらした<競争の思想>から<贈与の思想>への転換。(第8章)
あるいは、地球外エネルギーである<原子力>から<自然再生エネルギー>への転換。(第7章)
戦後日本を支えてきた厚い<中流階層>の復活、さらには<長期信頼>と<丁寧なモノづくり>の再生。(第5章)

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