昭和前期の青春 (ちくま文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 昭和前期の青春 (ちくま文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山田 風太郎 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480433312 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
最近、著者の「戦中派不戦日記」がコミカライズされて週刊モーニング誌上で月に一回連載されている。日記の視覚化ということでどうなるかと思ったが、少なくとも筆者は大変面白く読んでいる。そして本書は著者の没後に「不戦日記」の時代に関する著者の随筆などを収録して刊行されている。一部はその最中に書かれた文章もあるが、多くは1995年までにその時代を回想して書かれたものであり、著者による後日談という点でこたらの認識の幅が広げられて、「不戦日記」をより興味深く読み返すことができる。
それにしても1980年の「『不戦日記』から三十五年」という文章では、「しかし『不戦日記』を一生持ちまわっているわけにもいかないのである。」と言いながら、筆者が述べるところは『不戦日記』から全くブレていない。「戦中派」の面目躍如たるところだ。筆者の言う「戦中派」は「あの戦争中、学校で言えば中学生から大学生の年齢期にあった人間」とのことで、1919年生まれから1932年生まれぐらいの範囲か。「戦争」に日中戦争まで含めると1915年生まれからということになるが、1934年生まれの筆者の父が死んでもうすぐ5年になると思うと、「戦中派」そのものへの悼ましさを思わずにおれない。
それにしても1980年の「『不戦日記』から三十五年」という文章では、「しかし『不戦日記』を一生持ちまわっているわけにもいかないのである。」と言いながら、筆者が述べるところは『不戦日記』から全くブレていない。「戦中派」の面目躍如たるところだ。筆者の言う「戦中派」は「あの戦争中、学校で言えば中学生から大学生の年齢期にあった人間」とのことで、1919年生まれから1932年生まれぐらいの範囲か。「戦争」に日中戦争まで含めると1915年生まれからということになるが、1934年生まれの筆者の父が死んでもうすぐ5年になると思うと、「戦中派」そのものへの悼ましさを思わずにおれない。