ダーウィン『種の起源』 2015年8月 (100分 de 名著) の感想

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タイトルダーウィン『種の起源』 2015年8月 (100分 de 名著)
発売日2015-07-25
販売元NHK出版
JANコード9784142230532
カテゴリ人文・思想 » 本・図書館 » 目録・カタログ・インデックス » 選定図書総解説・目録

購入者の感想

全体としては分かりやすく、最後の章を除けば満足しています。

本書のラストには「おばあさんはなぜ存在するのか」という項目がありますが、
その内容については到底信じ難く、故に、その後の論理展開にも同意しかねます。

著者曰く、人間の女性は生殖能力を失った後も30~40年生き続けますが、
人間以外の動物には類を見ないこの性質は、進化のプロセスで獲得されたものであり、
最後まで子を産み続ける個体よりも、娘の世代の子育てを手伝う個体の方が
種の繁栄に有利であるため、「おばあさん」という存在が固定化されたんだそう。
著者はこの仮定を元にして、暮らしやすい社会の実現のためには
「進化」という視点で人間の行動原理を知るべきと最後に語っています。
しかしどうも、66歳の女性である著者が自分に都合の良い主張をするために
進化論をダシに使っているような気がしてなりません。

私個人は、「おばあさん」に進化のプロセスは関係なく、
単に医療が発展したから彼らは存在している、と考えるのが自然だと思います。
現在、人間の平均寿命は約70歳。しかし、縄文時代では約15歳だったと言われています。
この数字の低さは乳幼児の死亡率が主な原因ですが、それでもなお、
数千年前は「おばあさん」なんて存在は皆無であったはずです。
穿った見方をすれば、昔の「おばあさん」は貴重な存在だったからこそ、
その知識や経験を活用するために、「老人は大切に」と謳われてきたのでしょう。

本書の主題ではありませんが、「おばあさんはなぜ存在するのか」という問いに対して、
ドライに考えてみると、少子高齢化社会の行き着く先が見えてきた気がします。

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