イタリア現代史 - 第二次世界大戦からベルルスコーニ後まで (中公新書) の感想

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参照データ

タイトルイタリア現代史 - 第二次世界大戦からベルルスコーニ後まで (中公新書)
発売日販売日未定
製作者伊藤 武
販売元中央公論新社
JANコード9784121023568
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

 本書はいくつもの知見を与えてくれましたが、もっとも印象に残ったのは、3点、イタリア大統領が、意外に大きな役割を果たしていることと、就任時に離党しているとはいえ、(名称は変わっているが元は)社会党や共産党(ただし穏健派)の方が大統領に就任したりしていること(政党の名称が変わっているので今まで気づかなかった)、戦後20年くらいは総選挙の期限が守られ、その後も任期満了前の前倒し選挙はあれど、概ね任期近くまで総選挙は行なわれないケースが多いことです。

 ドイツ、イタリア、ギリシアなどの大統領は、米国やフランスと違い、立憲君主と似た一部の国事行為を行なう象徴的な存在である、という印象がありました。しかし冷戦後のイタリアでは大きく変わってきたようです。ここ20数年間は、政治混迷期や、安定多数に満たない第一党が連立工作に失敗した時などでは、政治家や国会議員ではないテクノクラートを首相に任命したり(1993,95,2013年(意中の人物を終身上院議員にして暗黙に候補者を示す例も含む))、(政権末期状態であったとはいえ)ベルルスコーニが大統領と協議して辞職を決めたり(2011年)、解散総選挙に至る前の段階で後継首相を打診したり、(事実上ベルルスコーニの在任中の起訴を免除することを目的とした)アルファーノ裁定では(大統領として署名したものの、その後の憲法裁の裁定効力停止判決に対して)兼務する最高司法会議長として何のコメントもせず暗黙に判決を指示するなど、実際の政治の場で影響力を発揮するようになってきているとのことです。

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