吉本隆明という「共同幻想」 の感想

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タイトル吉本隆明という「共同幻想」
発売日販売日未定
製作者呉 智英
販売元筑摩書房
JANコード9784480843005
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門

購入者の感想

この本、一読して理解できた。ということは吉本氏の思想・思索は理解していないということである。例えば、本書の33頁に「自分(=吉本)は十五年前に「関係の絶対性」とは言ってみたものの、本来は「関係の客観性」と言うべきだった」と吉本氏の考えを言い換えている。更に「「関係は客観的」とすれば、もっと分かり易い。「思想は主観的、関係は客観的」と対比的にまとめればさらに分かり易くなるだろう」(同)と書いている。これだけ採ってみても、吉本氏の真意を理解していないことが判る。最首さんは、はっきり「「関係の絶対性」は「観念の絶対性」でも「関係の客観性」でもない」と断言している(最首悟「大衆の玄像」・青土社『現代思想』2012年7月号所収)。この「関係の絶対性」は『最後の親鸞』(春秋社)の<不可避>に引き継がれている。糸井重里氏のHPにある吉本氏の講演には、具体的にこれに言及している講演もある。
 更に、三上治氏は「評論家・呉智惠英氏の『吉本隆明という「共同幻想」』を読んでいたら、六〇年世代が吉本に共感したことがわからないと言っていた。これは彼が思想的に鈍かったというだけのことである」(40頁)と書いてある。その通りである。呉氏のこの本を読むなら三上氏の『吉本隆明と中島健次』(現代書館2017/9/15刊)を読んだ方が吉本氏の目指したものがわかる。三上氏のこの本を読むと、吉本氏がマルクス(初期マルクス)・レーニンの彼方の世界―前時未踏の分野を切り拓いたことが判る。理解できたら一読をお勧めします。

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筑摩書房から発売された呉 智英の吉本隆明という「共同幻想」(JAN:9784480843005)の感想と評価
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