ギリシャ美術史入門 の感想
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参照データ
タイトル | ギリシャ美術史入門 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中村 るい |
販売元 | 三元社 |
JANコード | 9784883034475 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » アート・建築・デザイン |
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購入者の感想
古代ギリシャ美術の基礎を解り易く纏めた入門書。
依って、あくまでも初学者向きではあるのだが、その一方で、既に造詣が深い方達の復習にも最適なので、ギリシャ美術の愛好家の方達は是非とも手元に置いて頂きたいと思う。
さて、本書は青銅時代からヘレニズム期までを通史として扱っている。
先ずは、西洋美術史に於けるギリシャ美術の重要性を説き、続いてエジプトやメソポタミアの影響を受けた“エーゲ美術”を取り上げながら、ギリシャ美術の萌芽を解説…そして愈々、陶器、彫刻、神殿について丁寧に紹介していくのだ。
神話や逸話を引用しながら進行する本文は親しみ易いし、図版や図説も豊富である。
また、例えばローマン・コピーの評価、黒/赤像式の絵付け技法、古代ギリシャの男性/女性観、ギリシャ美術に見られる様々な文様、ヨーロッパに於ける新古典主義=ギリシャ美術回帰や黄金分割の詳細等々、所々に収録されたコラムの充実度も素晴らしい。
更には、巻末のギリシャ美術史年表は内容こそは極めて簡略だが、トレース図版も掲載しているので“目で見る年表”として仕上がっている所に一工夫あり、とにかく「楽しく学べるギリシャ美術」を体現出来る著作なのだ。
そしてもう一点、ギリシャ美術が如何に根深く西洋美術の中に息衝いているか…という事に気付かされたのも大きな収穫であった。
本書の冒頭では、かの有名なボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》を取り上げ、実はあのヴィーナスのポーズは古代ギリシャ美術では“定番”であった事を指摘している。
或いは、ピカソが古代美術に関心を持っていた事はよく知られているが、本書では具体的な作品を取り上げながら比較しているので、その影響の大きさを実感する事も出来る。
そして「果たしてミロのヴィーナスは本当に傑作か?」…という議論。
ここでは、世界の至宝の数々を誇るルーブル美術館に於いても尚、何故に《ミロのヴィーナス》が“ルーブルの宝”なのかという問題に着目しているので、改めて、現代を生きる私達が如何に古代美術に向き合うべきかについて多くを考えさせられたように思う。
依って、あくまでも初学者向きではあるのだが、その一方で、既に造詣が深い方達の復習にも最適なので、ギリシャ美術の愛好家の方達は是非とも手元に置いて頂きたいと思う。
さて、本書は青銅時代からヘレニズム期までを通史として扱っている。
先ずは、西洋美術史に於けるギリシャ美術の重要性を説き、続いてエジプトやメソポタミアの影響を受けた“エーゲ美術”を取り上げながら、ギリシャ美術の萌芽を解説…そして愈々、陶器、彫刻、神殿について丁寧に紹介していくのだ。
神話や逸話を引用しながら進行する本文は親しみ易いし、図版や図説も豊富である。
また、例えばローマン・コピーの評価、黒/赤像式の絵付け技法、古代ギリシャの男性/女性観、ギリシャ美術に見られる様々な文様、ヨーロッパに於ける新古典主義=ギリシャ美術回帰や黄金分割の詳細等々、所々に収録されたコラムの充実度も素晴らしい。
更には、巻末のギリシャ美術史年表は内容こそは極めて簡略だが、トレース図版も掲載しているので“目で見る年表”として仕上がっている所に一工夫あり、とにかく「楽しく学べるギリシャ美術」を体現出来る著作なのだ。
そしてもう一点、ギリシャ美術が如何に根深く西洋美術の中に息衝いているか…という事に気付かされたのも大きな収穫であった。
本書の冒頭では、かの有名なボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》を取り上げ、実はあのヴィーナスのポーズは古代ギリシャ美術では“定番”であった事を指摘している。
或いは、ピカソが古代美術に関心を持っていた事はよく知られているが、本書では具体的な作品を取り上げながら比較しているので、その影響の大きさを実感する事も出来る。
そして「果たしてミロのヴィーナスは本当に傑作か?」…という議論。
ここでは、世界の至宝の数々を誇るルーブル美術館に於いても尚、何故に《ミロのヴィーナス》が“ルーブルの宝”なのかという問題に着目しているので、改めて、現代を生きる私達が如何に古代美術に向き合うべきかについて多くを考えさせられたように思う。