大岡信 『折々のうた』選 俳句(一) (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル大岡信 『折々のうた』選 俳句(一) (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者大岡 信
販売元岩波書店
JANコード9784004318118
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 詩論

購入者の感想

折々のうた全19冊(総目次を含めると21冊)から厳選したものを集めた5冊シリーズの1冊目です。
初めの2冊が俳句、次の2冊が短歌(和歌)、最後の1冊がその他の詩歌です。

この1冊は、芭蕉以前、芭蕉時代、蕪村時代、その後の時代、それと歌仙および川柳の名句を集めています。2冊で代表的な俳句を集めた「選集」になるわけです。芭蕉や蕪村などは多くの作品が採られています。また、作者の年代順に並べられているので、選者もあとがきで書いていますように俳句の謂わば「進化」がわかって勉強になります。2冊目は小林一茶や正岡子規が中心になるでしょうが、現代俳句も選ばれることでしょう。

さて、ご存知のように『折々のうた』は大岡信さんが朝日新聞に連載したものを、その後1年分ずつを1冊にして出版したものです。同じ作者の作品を掲載することもしばしばありました。そのような場合、元の新聞記事では時間的に間が空いているので作者に関する似たような説明が繰り返されることもありました。それは当然でしょう。ただ、この本ではその同じような紹介文が並ぶことになります。これは原文をそのまま載せる以上致し方のないことですが、この本を「独立した本」として見るとやはり冗長に感じられます。

それならそれで、出典つまり元の新聞掲載日を載せて欲しかったものです。そうすれば、似たような内容でも「これだけの間を空けて取り上げられた」ということがわかります。掲載日の頃を懐かしがることもできたでしょうし、同じような内容でも冗長に感じることもなかったでしょう。2冊だけで俳句の全貌(?)が読めるなんて、それはそれでとても素晴らしい本ですが、それだけにちょっと残念です。

実は、元の記事の一部はそれこそ新聞でリアルタイムで読んでもいましたし、また、オリジナルの『折々のうた』は全冊読みましたが、今回このような形に「集約」されたらどれが選ばれるか楽しみにしていました。単純計算すると約4分の1が選ばれるわけですが、僕には多すぎるように感じました。いっそ、俳句1、短歌1、その他1の計3冊でよかったと思います。選者としては「あれもこれも」となかなか絞れなかったその心中はお察ししますが、俳句を1冊に絞ったら、それはそれはすごい選集になったと思うのです。

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