スポーツ国家アメリカ - 民主主義と巨大ビジネスのはざまで (中公新書) の感想

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「野球」「アメリカンフットボール」はアメリカ国内では熱狂を持って支持されるものの世界的には「マイナースポーツ」にすぎない。南北戦争終結後の産業革命進行に伴い、自由と豊かさの象徴となったアメリカでどういった歴史的背景により発展を遂げたのだろうか？

切り口としては「産業」「自由放任」「生活からの分離」「絶対的権限による規制」「公正の確保」「宗教」「人種差別と隔離」「時間と空間のコントロール」「独占禁止法の影響」「最適な分業制」「男女の性差」「民主主義と能力主義の両立」「ビックビジネス化に伴う顧客満足度の上昇」「門戸開放と市場開拓」などなどかなわかりやすい単語をもとにその概念や背景、成り立ちを説明してくれる。

若干、繰り返しが多く重複する記述も気になるが新書としては十分な内容だと思う。「トランプ大統領とプロレス」にわざわざ１章を割り当てるところに、現代アメリカ研究者としての矜持を強く感じた。