ヘンデル:ソナタ全曲(6曲); コレッリ:ラ・フォリア の感想

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ドラマティックで、魅せられる旋律、ヘンデルが活躍した時代から、どれほど時を隔てても、
変わらない感動があると信じて聴き続けています。
楽しい時慶び事に音楽は欠かせないが、苦境に在るときに最も必要とするのではないだろうかと、
居が変わる度に、息子を育みながら、信念にまでなってゆきました。
シェリングの世代は、第二次世界大戦を潜り、亡命した音楽家が多く、苦労が今の私たちとは違い、
鬼籍に入られても、彼らの演奏は頼りになるエネルギーを持っている気がしてなりません。
フランス生まれの名チェンバリスト　ユゲット・ドレフュスの伴奏は、
クリストフ・ルセ氏の先生と首肯する、知性に裏打ちされた上品な華やかさを持つ演奏。
終始控えめなドレフュスの伴奏に、シェリングの演奏は生き生きと縦横無尽の伸びやかさを持つので、
彼女がどのような教師だったか興味を覚えます。
音楽演奏を始めとする、精神性まで高めてくれるものは、
目前の恩恵を感受し、卓抜した技術で手を加えて進化させ、新しい生命や姿に変え、
循環していく、奇跡が重なることからから始まった一つの道筋を感じさせてくれるもの、
演奏者の人生の軌跡と表現の繋がりを偲ぶ一枚です。