牛島満軍司令官沖縄に死す―最後の決戦場に散った慈愛の将軍の生涯 (光人社NF文庫) の感想

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タイトル牛島満軍司令官沖縄に死す―最後の決戦場に散った慈愛の将軍の生涯 (光人社NF文庫)
発売日販売日未定
製作者小松 茂朗
販売元潮書房光人新社
JANコード9784769829645
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

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購入者の感想

サブタイトルは『最後の決戦場に散った慈愛の将軍の生涯』となっているけど
本文の3/4は沖縄戦の推移となっていてその辺は本著のタイトル通り。

ただし頂けないのはレビュータイトルの通り高級参謀八原博通大佐の扱いで
32軍参謀長の長勇中将との対立は全て階級的に下位の八原が悪いと決めつけ
事あるごとに本文中で筆誅を加えていてそれが行き過ぎの域にまで達しているのです。

例えば、本文P76で長と八原の人物評をしているが(以下引用)
『参謀長=長勇中将。強烈な意志力、実行力、指導力はときに専断に流れることがあった。』
『高級参謀=八原博通大佐。陸大軍刀組で事務タイプ。沖縄に派遣せられたことに大きな
不満があった。』
と、のっけから扱いの差をつけている。

そもそも論として大本営は32軍に対し明文化されてはないが
『(要旨)本土決戦準備の時間稼ぎをするように』
と、持久戦を指示していたのに対し長は何とかして一矢報いたいと攻勢を企図。
一方、八原は大本営の意向を墨守しようとこれに難色を示し、牛島は統率上の問題もあり
長の攻勢案を支持し実際に攻勢を仕掛けたが案の定失敗、兵力をすり潰しただけに終わった
のだが著者は参謀長に高級参謀が盾ついたと言う理由だけで悪いのは八原と断じていて
不公平この上ない。
その挙句、攻勢失敗後「勝敗は兵家の常」という章を立て(P154~)5ページほどで
攻勢失敗に触れた最後に『いまこそ過去のいきがかりを捨て、全軍一致団結、さむらい魂を
発揮するときであろう。』(P158)
などと精神論を振りかざすのだから始末が悪い。

また、沖縄戦末期の摩文仁への移動も著者は「八原が摩文仁への司令部移動を
言い出さず首里近郊の司令部で持久に徹すれば2か月分の糧秣と弾薬があるのでより
長期の持久戦が可能だったはず。」
と言っているがその場合、沖縄本島南部の制圧は史実より大分早くなり
(軍司令部周辺に主力が固まっているのなら史実のような激しい抵抗はなく

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