音楽の文章セミナー―プログラム・ノートから論文まで の感想

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タイトル音楽の文章セミナー―プログラム・ノートから論文まで
発売日販売日未定
製作者久保田 慶一
販売元音楽之友社
JANコード9784276101500
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » 音楽学・音楽教育学

購入者の感想

本書は、著者久保田慶一氏が勤務先の東京学芸大学の大学院生を対象にしたセミナーを文章化したものだそうです。同じ内容を広島大学での集中講義でも話されているそうで、いわば院生を対象とした講義録といった性格を帯びています。

「音楽の文章セミナー」というタイトルが魅力的です。そして「プログラム・ノートから論文まで」という副題がついていますので、過去に何回もプログラム・ノートを書き、ここに音楽の雑文を書いている当方としては関心を持って読みすすめました。

本書は、基本的にはクラシック音楽に関する修士論文、そしてひいては博士論文を書く必要のある方にとっては必読のものだと言えるでしょう。一方で日常的に音楽のブログを書くような方にとっては敷居の高い論考だと感じました。

とはいえ、10回にわたるセミナーの内容は含蓄に富み、論文執筆のエッセンスが詰まっています。「形式を説明する」の章は少し難解でしたが、他の章は参考になるもので、音楽文献の引用や検索に関しては、一般的な論文執筆と同様の指摘だと言えるでしょう。

コラム欄も示唆に富む内容で、例えば「オペラを説明する」章のモーツァルトの「魔笛」に関する「錬金術の宇宙」の例えは興味深い指摘でした。「魔笛」の登場人物像を分析し、火・水・空気・大地の四元素と中央の賢者の石との関係をパパゲーナ達や3人の賢い子どもへ当てた例示は素晴らしい説だと思いました。モーツァルトに関する著書が多い音楽学博士の力量に圧倒されました。初学者には少し手ごわいですが、好著だと言えるでしょう。

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音楽之友社から発売された久保田 慶一の音楽の文章セミナー―プログラム・ノートから論文まで(JAN:9784276101500)の感想と評価
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