ハルジオンが咲く頃(Type-A)(DVD付) の感想

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紅白初出場後、前作から少し時間が開いてリリースされた乃木坂46の2016年最初のシングルです。乃木坂46といえば、代表曲と言われる曲の多くはピアノで曲入りし、ややシリアスで、イノセントで真摯な印象を与える曲調のものが多いですが、タイトル曲「ハルジオンが咲く頃」は弦楽器で曲入りし、シリアスというより爽やかで、イノセント（無垢）というより清らかで、真摯というより穏やかさを感じさせる曲調です。暗さがなく、だからと言って明るく楽しいというのではない、エモーショナルに揺さぶられるのでもない、このまでのシングル曲と較べても控えめで大人しく、そのためリラックスして聴ける大変聴き心地の好い曲に仕上がっています。前作からリリース間隔が開きましたので何か仕掛けてくるのかと思いましたが、むしろ逆で、これまでの路線を踏襲しきっていて、殻を破ってブレイクスルーを狙ったようなところはまったくありません。そのため、物足りなく感じる方もいると思います。歌詞も含めてこういう曲になったのは、おそらくは本作でシングル参加が最後となり、6月に卒業される本作のセンター深川麻衣さんをイメージしてのことだと思いますが、それゆえこの曲が心の奥底まで突き刺さる人は限られるのかもしれません。でも、それでいいと思います。歌って、もともとはそういうものだと思いますので。どんな歌もその多くは誰かのために、誰かを想って、誰かに捧げて作られてるものだと思います。この曲も販売数としてはハーフミリオンを大きく超えて売れるでしょうが、誰もが口ずさむようなヒット曲にはならないかもしれません。ハルジオンという花を知らない人だって多いと思います。深川麻衣さんを知らない人はもっと多いでしょう。でも、その花を知っていて、彼女を知っている人は、特に初期から彼女を知っている人は、おそらくこの曲をいつまでも忘れず、長く聴き続けるでしょう。何しろとても聴き心地の好い曲ですから。そんな曲だと思います。（歌詞は相変わらずちょっとベタつき気味と思うんですが…「やあっと～言える～　………だよ～」とか）